谷 好通コラム

2025年06月22日(日曜日)

06.22. 低分子のガラスコーティングが、分厚い無機質被膜を実現。

まず、コーティングは、

強固な鎧(よろい)ではなく、

塗装の身代わりとなって自らが傷み汚れる「犠牲被膜」であるべき。

クルマの塗装を外的な攻撃から守るならプロテクションフィルムが最強です。

これは高分子樹脂被膜を粘着糊で貼り付けるもので

その厚みは数十ミクロンもあり、飛び石等からボディを強力に守ります。

これはいわば鎧で、護る力も強いですが、張替えは困難を極めます。

プロテクションフィルム自体が傷み、汚れても簡単には貼り替えられません。

 

それに対してKeePerコーティングは、

約1ミクロン前後の厚みで塗装とほぼ同じ硬度の膜を造り、

ファンデーション効果で美観を高め、同時に紫外線や外的な力から護ります。

護ると同時に、その攻撃を塗装の身代わりとなって

自らの膜に受け止めて、自らが傷み、汚れます。

そしてある一定期間を経て、メンテナンス(または再施工)を受け、

コーティング被膜の表の層を簡単に入れ替えることによって、

美観と、防護能力を取り戻します。

この犠牲被膜としての機能が、コーティングのメリットであるべきです。

 

 

従来、ガラスコーティングと言えば極薄の「ポリシラザン」。

ガラスコーティングは無機質であり外部からの化学的攻撃にも強く、

ガラスコーティングの代表格であるポリシラザンは非常に硬く、

外部からの物理的攻撃にも強いはずであった。

しかし、硬いガラス被膜は有機の塗装の表面に密着できず、

温度の変化による収縮率の違いで剥がれてしまうので、

極端な薄膜(数十ナノレベル)にする必要があり、

その”極端な薄さ”が、剥がれを防止し密着出来ていた。

(金は、金箔の極薄にすれば木に密着するように。)

しかし、

コーティング膜は塗装の硬さに由来し、実態は塗装の硬さでしかなかった。

 

 

ポリシラザンは新車以外には必ずポリッシャー研磨が必要だった。

更に、極端に薄い皮膜は

塗装表面の凸凹を平滑に出来ないので、

ポリシラザンでのガラスコーティング施工の前には

必ず厳密なポリッシャーでの研磨、下地造りで艶を出しておく必要があった。

 

 

高分子(ポリマー)、低分子(オリゴマー)、単分子(モノマー)、

硬いポリシラザンによるガラスコーティングに対して、

SiO2の結合の仕方を低分子レベルにとどめる工夫をして、

塗装の硬さと同レベルの硬さにとどめたアルコキシオリゴマーの

ガラスコーティングをKeePerが造った。

 

この低分子ガラスコーティングは低分子であるが故に、

塗装組織の超微細な凸凹に入り込んで、

塗装に根を張ったような状態で食いつくことが出来て(アンカー効果)、

無機であるガラス被膜でも有機である塗装被膜に密着することが出来る。

 

 

 

コーティング施工前に塗装の凸凹を削りとる研磨が必須ではなくなった。

だから分厚い皮膜を造る事が可能になり、

塗装表面の凸凹を埋めるような分厚さを持った

埋め効果 (お化粧のファンデーションのような) の被膜を造ることが出来た。

すると、

研磨無しで、十二分に艶が出せるようになったのです。

さらに、この分厚さが紫外線カット(UVカット)の性能を上げ、

塗装がUVによって褪色することをより防ぐことにもなった。

 

 

ポリッシャー不用が、圧倒的な数の技術者造りを可能にした。

アルコキシオリゴマーの採用により、KeePerは新車はもちろん、

使用中の車への施工でも、

余程の塗装面の劣化がなければポリッシャーによる研磨を不必要にした。

すると施工作業の難度は格段に下がり、

作業事故の防止、施工コストの低減化を実現するだけでなく、

圧倒的に多くの数の技術者を生み出すことが出来、

KeePerの一番の強みとなった。

 

 

ガラスコーティングの弱点、析出ミネラルの固着=水シミを、レジンで解決。

ガラスコーティングは無機質であるが故に化学的な攻撃に強く、

安定して強い被膜です。

しかし、無機質被膜である故に、

ミネラル(無機質)を多く含む上水道水がボディ上に残ったまま乾くと、

このミネラルが析出してウロコ状の「水シミ」になって、

ガラスコーティング(無機質)の被膜上に、

無機質同士であるが故に、硬く固着してしまうことがある。

これはポリシラザンでの硬質ガラスコーティングでより深刻であった。

 

この問題に対して、KeePerは

柔軟性を持ったアルコキシオリゴマーのガラスコーティングの上に

密着性を持つ有機樹脂被膜(レジン)を上乗せして、

無機質のミネラル析出物である「水シミ」が固着させない手法を作った。

特許登録済み(有効期限あと12年)。

 

有機樹脂(レジン)の入れ替えが、犠牲被膜の容易な入れ替えにもなった。

無機質のガラス被膜と有機質のレジン被膜の二重構造が、

前出の「カーコーティングは”犠牲被膜”」であるべきとしたコーティング理論に対し、レジン部を犠牲被膜として定期的に入れ替えていくことが非常に容易になった。

 

この事によって、1年に一回、定期的に、

わずか1時間半で施工を繰り返す「クリスタルキーパーKeePer」が、

主にガソリンスタンドを軸としたKeePer PRO SHOP中心に爆発的に広まり、

更に、二層目のレジン層を、

独特の表面機能で自浄効果を持つ「フレッシュキーパー」は、

「自然の雨が、洗車になる。」で、SDG,sにも貢献して、

更に多くのお客様に支持され、施工されている。

 

 

 

 

同様の構造を持ちながらガラス構造の部分を強化し、

3年に一回の施工を実現した「(W)ダイヤモンドキーパー」、

更なる艶と自浄効果を付加した「ECOダイヤキーパー」と、

別次元の分厚い自浄レジン層で

過剰なまでの艶を実現し、圧倒的な支持を得ているEXキーパーが、

自動車が大好きなコア層を中心に(特に新車への施工)広く拡がっている。

 

 

また、象徴的な存在である「T-REX KeePer」は、

その施工作業が大変困難なほど

異常なまでに透明被膜部分が厚く、

仕上がった後は、まるで水あめを車全体に覆ったように見える。

作業が困難な分もあって、施工価格も非常に高いが、

思った以上に施工依頼をいただき、

特にLABO用賀店など都心部の店舗を中心に中々の収益源になっている。

 

更に、

数千台に一台の割合にしか存在しないマット塗装(つや消し塗装)車の為に、

独特な発想からの「マットテクスチャKeePer」を発売した。

最初の想定通り、施工台数は極めて少ないが、

今後、上級車において増えていく傾向があることと、

ある高級車メーカー純正採用の大きなキッカケになるなど、

想定外の効果を出している。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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