谷 好通コラム

2025年11月14日(金曜日)

11.14. KeePer技研㈱が翻意して応募したTOBが成立しました。

 

今年の3月、KeePer技研㈱の株主でもある投資家とのIRの終わりがけ

「ソフト99の株を12.8%持っていて、今、売ろうとしているのです。

KeePerはソフト99との資本提携で、シナジー効果があるなら買いませんか。」

と、話しかけられ、ソフト99はその時の現状でPBRが0.5しかなく、

この話が、変な所に行ったらそれは本当にまずいなと思って、

独断で、買うことにしました。

 

そう、最初は私の勝手な独断です。

しかし、良かれと思って勝手に買ったS99株は、誤解を生んだようで、

結局、ソフト99はMBOをすると言われたので、

さすがにガッカリしましたが、

それがご本人の選択ならば、私がとやかく言うまでもないと同意しました。

それが8月6日で、株式の取得からわずか半年後です。

そこから約2週間後、

「横やりが入りそうなので、それを止めさせたいので・・・・・」と

おっしゃったのですが、

それが本当に対抗TOBの形で出て来て、

それもずいぶん高い価格で。

そこから話が、私にとっては混沌としてしまったのです。

私個人としては、どんな形であろうと、

いかに損する事になったとしても、一度した約束は文句なく守るのが信条です。

 

しかし、ソフト99の株を買ったのは、

はじめの動機は私個人だったとしても、

事実として買ったのは、KeePer技研㈱という会社です。

それをどうするのかは、私個人が決められるものではありません。

 

それを思い知ったのは、

株主総会で、

私はインフルエンザに罹っていたので、

会場の隣の部屋からリモートでの参加でしたが、

株主の皆さんのおっしゃることはよく分かりました。

 

いわく

「S99社株というKeePer技研の大切な資産を、

理由無く安売りすべきでは無く、

株主利益の最大化のために

TOBに応募するという方向性で行くべきだ。」

 

 

私の判断で買った株式でも、

私はKeePer技研㈱の代表取締役谷好通として買ったものであり、

その所有は会社・KeePer技研㈱であり、

その株式をMBOに応募するのか、

TOBに応募するのかを決められるのは当然私個人ではありません。

私はKeePer技研㈱の代表取締役谷好通ではありますが、

KeePer技研㈱そのものではありません。

 

いわゆるオーナー会社というものは、

代表取締役と所有者(株主)が同一の会社(法人)で、

個人事業者と混同しがちですが、

法律的にも、税法上も明確に違った存在であって、

特に税法上では、法人には累進課税が無く、

法人は個人に比べて圧倒的に有利です。だから、

税法上での有利さを享受する為だけで、法人にしている会社が多いものです。

しかし、特に株式上場会社では、

個人と法人の区別がなく、法人の立場で節税した上で、

実質上、個人の蓄財の為にあるような会社が社会的な問題になっています。

しかし、あくまでも、それは他所の事であって、

この会社には関係ない事だと思っていました。

 

少なくともKeePer技研㈱は、

役員と社員のどの段階でも、会社と個人のケジメはきっちり着いていて、

公私混同のカケラもない会社だと自負してきました。

 

 

それでも、私は、

私個人としては、どんな形であろうと、

いかに損する事になったとしても、一度した約束は文句なく守るのが信条だ。

と言いつつも、

反面、私はKeePer技研㈱の代表取締役谷好通ではあるが、

KeePer技研㈱そのものではない。

だから、

「S99社株というKeePer技研の大切な資産を、

理由無く安売りすべきでは無く、

株主利益の最大化のために

TOBに応募するという方向性で行くべきだ。」の道理に、反する術はない。

そんな葛藤の間に

社外取締役は、MBO側に質問状を送ったりしつつ

私と何度かのディスカッションで、私は、納得するしかなく、

10月15日に、翻意してTOB側に応募したのです。

 

しかしこのことで、逆に、

MBOにもTOBにも応募出来なくなる可能性もゼロでない。

それをも議論した上で、

「株主利益の最大化のために

TOBに応募するという方向性で行くべきだ。」の道理を通すことにした。

その結果、

昨日、目的としたTOBが無事に成立して、

今日は一日普通に仕事をして、帰ってから静かにこれを書いています。

これが道理が通ったという事か、単に運が良かったのか分かりませんが。

 

日経ビジネスの記事より

 

横で、袋に入って楽チンしているリンダがこっちを見ています。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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