2014年10月25日(土曜日)
10.25.「伝える。」は、仕事にならない。
「お客様にメニューをご覧いただきながら、商品の説明をしました。
私は、お客様のお車に最も適した商品を選び、
自分の知識にある言葉で、的確にその商品の特徴などをお伝えしました。」
この行為は、
そのスタッフの時間を使い、労力を使うので、仕事です。
その行為に対して、会社は給与を支払います。
当然です。
しかし、
その行為によって、
残念ながら、お客様はその商品を買いませんでした。
そのスタッフは、その商品の良さ、魅力を、的確に伝えたのですが、
お客様は、その商品を欲しいとは思わなかったので、買いませんでした。
もう一度、
そのスタッフの行為を振り返ってみます。
「お客様に、メニューをご覧いただきながら、商品の説明をします。
お客様のお車に最も適した商品を選び、
自分の知識にある言葉で、的確にその商品の特徴などをお伝えします。」
これを、
お客様の側に立って、お客様側の言葉で言い換えてみると。
「私(客)に、売る側である貴方達が作ったメニューを見せて、
商品の説明をされました。
売る側である貴方が判断した、”私の車に適した”という貴方が選んだ商品を
私には分らないかもしれない貴方たちの言葉で、
貴方が感じたその商品の魅力と特徴を、私に伝えました。
でも、私には貴方の業界専門言葉がよく理解できなかったし、
貴方が魅力だといった、その商品の特徴は、私には魅力でもなんでもなかった。
だから、欲しいとも思わなかったし、もちろん買わなかった。」
せっかくそのお客様は、
その店の商品を買おうかと思って来店したのに、
売る側である店のスタッフは、
「お客様に、メニューをご覧いただきながら、・・・・・」
という仕事をしたけど、
お客様は。
「私(客)に、売る側である貴方達が作ったメニューを見せて、説明をされました。
売る側である貴方が判断した、・・・・欲しいとも思わなかったし、買わなかった。」
でした。
この人が、雇われた従業員ならば、
これは”仕事”なので、
当然、給料はもらえます。
しかし、
この店が、この人が経営している個人事業だったら、
これは、”お客様から自分勝手な売り込みと受け取られた失敗の行為”であり、
一銭の報酬も得られません。
残念ながら”仕事”にはならなかったのです。不思議ですね。
“伝える”だけでは、仕事にならないのです。
これは、売る側と、買う側の間に言えるだけのことでなく、
ひょっとしたら、
上に立つ立場の者と、その下にいる立場の者の間にも言えることではないでしょうか。
リンちゃんはかわいいので、仕事をしなくてもいいのです。