2012年10月01日(月曜日)
10.1 .40分間で化けた一部始終
飛行機の中、私の席の一つ向こうの席の女性が”化けた”。
満席の飛行機の中で、
スッピンであった中年の女性が、
朝のお化粧を乗客の目の前でヤりはじめ、
個人的にはすごく苦手な化粧品のニオイを振りまきながら、
見る見るうちに化けていった。
このような行為を、
大勢の人にさらすことを
恥ずかしいと思わなくなったのは、
「恥を知る文化」と言われる日本特有の文化が、
薄くなってきている一つの現象なのだろうか。
飛行中、席のテーブルが使える約40分間の間に、
下地作りのファンテーションをしばらくパタパタやって、
顔の部分をピンクやら、青やら、茶色やらを筆で書いて、
目のまつげをよっこらしょと太く、長く、上にぐるんと向け、
口紅と言っていいのかどうか分からないが、筆で唇をこてこてと赤く塗って、
また、顔中をパタパタやって、
最終着陸態勢に入ったからテーブルをしまうようにアナウンスが入った頃、
ちょうど、すべての作業が終わったようだった。
私は前話を書きながら、気になってチラチラ見たら、
飛行機に乗ったばかりのその人とは、まるで別人の人がそこに言った。
しかし、一部始終を見た私には、
たぶん40歳くらいのその人は、
ぱっと見に30歳位に見えるよう”化けた”
あきらかに40歳の女の人にしか見えなかった。
せめて、化けるのは、人目をはばかってやってもらいたいものだ。
ちょっとうんざりした。
手前味噌だが、
ずっとすっぴんで60歳を迎えた我が連れ合いが、
空港の降り口に迎えに来てくれているその笑顔を見て、ずっと若々しさを感じた。
東京へ向かう新幹線の中にて。