谷 好通コラム

2012年10月02日(火曜日)

10.2.すべてを明らかにする事ほど強いものはない

今年6月の決算には、
監査法人を入れて会計監査証明をいただきました。
会計監査とは、
税務署に届ける税務上の決算とは別に、
税務的には経費と認められない引当金までをすべて計上して
この会社の現時点における会計的な損益を厳密に計算するものです。

 

たとえば、キーパーラボで発行している「ポイント」は、
お客様が洗車・コーティングの支払い時に使用できるものなので、
税務上はポイントを使用した時点で経費として計上できるものですが、
会計的には、将来的に使用されるであろうポイントまでを計算して、
引き当てをします。
あるいは、社員、役員が決算時点で退職した場合に、
規定どおり支払われるべき退職金も全額引き当てられます。
あるいは、事業用定期借地としてお借りしている土地に
アイ・タック技研が建てた店舗が、契約上お借り出来る機関を過ぎた時点で
簿価として残存するであろう建物の資産を引き当てます。
と同時に、その時点で更地にして返すための工事費まで引き当てます。

 

しかし、これらは会計上は損金として引き当てたとしても、
税務上は経費として引き当てる事は出来ませんので、
税務上としての利益で法人税を納める必要があります。
だから帳面上は、
税務上での法人税を納めたあと、
特別損として計上された会計上の損金が引かれて、
会計監査をはじめたその一期は、
それまでの長い期間の引き当てを一挙に計上するため、
会社の収支はほとんど利益が出ていない形になります。
あるいは赤字になります。

 

これは株式を上場する時に必ず行われる手続きです。
しかし、アイ・タック技研㈱はこの会計監査を、
株式上場する準備のために行ったわけではなく、
会社をより公明正大にするためであり、
会社を一切私物化することができない体質、体制を作り上げるためです。

 

それが創業家であり、代表取締役であり、社長であり、
誰であったとしても、
個人として、
法人である会社の利益、財産を私物化することは、
会社法の精神として、本来的に許されません。

 

今後、会社をとりまくすべての人に対して、
会計監査を受け、監査証明を受けた公明正大な会社として、
出資をお受けしていく準備も計画しています。

 

二年後の引退を宣言した私としては、それ以降を、
この会社を、社会の公器であるべき会社本来の意味としての会社にしたいと、
株式上場を目指す目的ではなく、
会計監査を受けることにしたのです。

 

その意味は、解っていただける人だけに解っていただければ、
いいのかなとも思っています。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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