2005年07月31日(日曜日)
1225.一番辛かった頃
ニューヨークからオランダ・アムステルダムのスキポール空港に向けて
飛び立ったのは、午後11時半過ぎであった。
飛行時間は約7時間、時差は6時間である。
だから、アムステルダムに到着したのはお昼の12時半である。
この飛行では全く眠れなかった。
飛行時間が比較的短いし、夜の軽い食事をしていたら、
時差の関係と緯度が上がるせいもあって、
ちょっとパソコンをいじったり、
シートでモゾモゾとしていたら、
直に外が明るくなってきたのだ。
すべての窓がきっちり閉められて機内はほぼ真っ暗なのだが、
外が明るくなってきていることは何となく判る。
そうなると私は眠れなくなってしまうのだ。
ニューヨークで朝7時に起きてから
目的地スキポール空港に着いた時点で、すでに22時間半過ぎていた。
※この飛行機でアムステルダムにやって来ました。
スキポール空港からミュンヘンへ乗り継ぎ便に乗る。
この空港はターミナルビルが別れておらず、
一つの巨大なビルになっていて、
乗り継ぎ便はその一番端のFから反対の端Bまで歩かなくてはならない。
その距離2キロはあっただろうか(ちょっとオーバーか?)
と同時に、研究所の佐古さんとこの空港で待ち合わせをすることになっている。
その待ち合わせ時間が約3時間であり、
成田から飛んで来た佐古さんと会った時には、ホッとして疲れがドット出る。
それから乗り継ぎ便の時間までもう2時間半。
空港のプラスチックスの座り心地の悪い椅子で延々と待つ。
乗り継ぎ便が来た時点で、
もう連続28時間起きている。
アムステルダムからミュンヘンまで約1時間の飛行。
今度はミュンヘン空港でSONAXの吉村さんと合流し、
ドイツでのメンバー4人が揃った。
少ししたら、SONAX本社のDr.ピッチが迎えに来てくれた。
4人という人数と荷物が大きかろうということで、
奥さんのクラウディアさんと2台でのお出迎えだ。
お互いに再会を喜ぶ。
例のごとくアウトバーンを200km近くで飛ばし、
この日の目的地“ノイブルグ”に到着してからホテルにチェックイン。
Dr.ピッチご夫妻が、
私達をホームパーティーに呼んでくれた。
ホテルに入ってすぐにでもベッドに倒れ込みたかったところだが、
せっかくのご招待、お断りするわけには行かない。
この時点ですでに起きてから31時間が経っていた。
ニューヨークで歩き回ったのと、スキポール空港の端から端まで歩いたので
足が爆発寸前であったし、
長時間寝ていなかったことで、正直言って、この時は辛かった。
でも、Dr.ピッチご夫妻の暖かい歓迎と、
Mrs.クラウディアのとても美味しい料理と、
Dr.ピッチのお手製シュナップス(食後酒で40゜以上の強い酒・・密造酒??)
四年前の時と同じように大変楽しい時間を過ごしたあと、
ホテルの部屋に帰ったのが午後11時半。
必死にインターネットの接続を試みるが、どうしても接続できない。
早々に諦めて寝る事にする。
12時半を過ぎている。
この時点で、起きてから37時間半が経っている。
次の日はホテルを朝9時に出発だ。
いろいろな準備もあって朝7時には起きなくてはならない。
これを“時差の無い状態”で書くと、
朝7時に起きて、
丸一日遊んで、真夜中に飛行機の中で寝ようとしたが寝れず、
結局徹夜して、
ベットに入ったのが翌日の午後8時半、
そして、次の日の起床が6時半後の朝3時!となるわけだ。
これがキツクないわけがない。
次の日は、今回の一番重要な要件がある日だ。
まったく新しいタイプのコーティング剤開発の実験と検討の日。
この製品については、
それまで何度も何度も日本とドイツで試作とテストを繰り返し、
その報告と対策を、
私たちは日本語でメールし、
ドイツ語に翻訳してもらってDr.ピッチにメール。
それをピッチがドイツ語で回答し、それをまた日本語に翻訳してもらって、
それに対して私たちがまた日本語で反論を書く、
・・・という
実にまどろっこしく、かつ不正確な議論を繰り返してきた。
翻訳してくれる吉村さんが化学のことがほとんど解らないので、
どうもお互いの主張が正確に伝わっていないような気もしていた。
このままではどうしてもうまく行かず、
時間ばかりが経ってしまうような気がして、
「やっぱりドイツに行こう。
直接、車に施工しながら話をしなければ、いつまでたっても、ラチが明かない。」
そう決心してドイツ行きを実行したのだ。
ちょうどアメリカにも行かねばならない要件もあり、
それを一緒にして、珍なる世界一周出張と相成ったわけである。
その一番大切な日が、
体的に一番きつい日になってしまうのは、
スケジュール立てのミスであり、純粋に私のせいである。
とにかく何とか頑張らなくてはいけない。
・・・・・・
と、ここまで書いて、
今、31日の午前1時過ぎ、強烈に睡魔が襲ってきている。
無理をせずに寝る事にする。
時差と睡眠不足がまだ体の中に残っているのかもしれない。
(午前1時なら、眠くなるのは当たり前か?)
今回の出張のクライマックスは、
明日、起きてからまた書きます。
※Dr.ピッチとMrs.クラウディア
(この写真は次の日の食事の時に撮った写真です。当日は写真を失敗した。)
Mrs.クラウディアは、
婚約中にお会いした四年前よりも“少しだけ”大きくなっていた。
どうもデザートにハマっているらしい。
デザートを食べる時のクラウディアの目が怪しく光った。
Dr.ピッチは、海水のアクアリウムが趣味らしい。
海水のそれは造るのが非常に難しく、
また維持はもっと難しいので、滅多なことではうまく行かない。
(私も淡水のものを少しだけやった事がある。)
Dr.ピッチの御自宅にあったアクアリウムは、
私がこれまで見たことがないほど見事なもので、
たくさんのイソギンチャクとか、色々な珊瑚が見事に、かつ健康そうに生きていた。
これは何かのコンクールで優勝したこともあるそうだ。
うむむむっ、すごい!