谷 好通コラム

2003年09月15日(月曜日)

796話 もうすぐ快洗隊

上海に来てから2日目の午後に
頼さんと会った
ホテルに迎えに来てくれたのだが
頼さん、自分の車が故障中ということで
燃料とかの配達にも使っているトラックのようなバンに乗ってきた

 

とりあえず今回は、家族の観光も兼ねていたので
少しいいホテルに泊まったのだが
その車寄せには、高級車がずらっと止まっていて
その中を、かなりのバンが颯爽と入ってきた
運転しているのは
顔見知りの若いスタッフ
ニコニコしながら、手を振って入ってきた
「ニィハオ!」
うれしい
私も思わず、「オーイ!」と叫びながら手を大きく振った

 

カッコイイではないか
高級ホテルのエントラントに、いかにも“働いている車”がやってきて
若いスタッフとうれしそうに手を振りあって
再開を喜ぶ
おしゃれをした観光客より、こっちの方が
いかにも上海に仕事をしに来ていて、それが受け入れてくれているって感じがして
私は大満足で
通訳の李さんと、同行の家族と一緒に
少々石油の匂いが漂うバン車に乗り込んだ

 

7月に来たときは、この車クーラーが故障していて
かなり汗だくになったのだが
今回は、私たちが来るというので、クーラーを修理していてくれた
快適である

 

まず、「新しく作った洗車の店を見に行こう」と
上海の雑踏の中を進んだ

 

見覚えのあるガソリンスタンドがあった
前回来た時
そのガソリンスタンドの中に洗車の店舗を建設中で
店のレイアウトなどにあれこれアドバイスをした

 

 

店の中に入っていくと
顔を知っている若いスタッフがニコニコしながら寄ってくる
握手、握手

 

待合室の中に入る
出来たばかりであることもあって
素晴らしくきれいだ
アドバイスをしたように、洗車作業場に面した大きなガラス面に
カウンターが造ってある
そこにお客様が3人座っていた

 

「谷さんの言うとおりに造って良かったよ。
お客さんが入ってくると、必ずこのカウンターの座る。
それで、ジッと車を洗うの見ている。ずっと」

 

 

「うちの洗車の技術、全部見に行ってくれて、他の洗車屋と差別化が出来る。」
「他の洗車屋は、たいてい洗車1回“5元”、高くても“10元”
うちは、その2倍以上の“25元”貰っている。
お客さん、みんな“高い、高い”って必ず言うけど、また来るんですよ。」

 

 

中国の1元は、日本円で約14円
だから、今までの普通の洗車屋さんは、70円~140円で洗車していた
それを、この頼さんの新しい店では洗車を“350円”でやっていると言うのだ
(簡単な室内清掃付き)

 

中国の物価指数は、日本の約10分の1
だから、ここで働いているスタッフの給料も1000元/月(14,000円)ぐらい
そう考えると
25元の洗車は、日本で考えると3,500円に匹敵するもので
中国での洗車としては、多分、最も高い料金を取っていることになる
ちなみに、キーパーコーティングが100元(1,400円)
日本の物価で考えると14,000円
スタッフ一人の月給の約10分の1

 

1日平均16台の来店があって
キーパーは2台/日ぐらい
始めてすぐの8月には3万元/月の売上があったと言う
頼さんが持っている4軒の店で一番売上があるのが3万4千元
その売上は、今月、間違い越すそうだ

 

毎日4人~5人で作業をやっている
来店台数は、今は少ないながらも、確実に増えてきており
この先どこまで行くのだろうか
そんな勢いだ

 

私が、店にいた2時間ほどの間にも、来店客がまったく途切れず
次から次へとやってくる
ワーゲン・パサート、アウディA6、GMビュイック・リーガル、ホンダ・アコード
特にパサートが多い
みんな中国における高級車ばかり
中国の私企業の総経理(社長)さんたちだそうだ
この層が中国では急速に増えている

 

頼さんがお客様と話をして感想を聞いている

 

 

はやり、「なぜこんなに高いのか?」と必ず聞かれるのだそうだ

 

「まず、技術が違います。
私が、日本で覚えてきた最高の技術で洗車をしているんです。
そして、ここで使っている洗車のケミカルは
日本の洗車専門のトップメーカーのもので
中国のケミカルより、うんと高いものを使っているのです。」
※誇らしげに、ファイナル1と180コートがガラスケースに入れて飾ってあった

 

 

それで納得する
そして、繰り返し来店するのだが
来る度にまた「なぜこんなに高いのか」と聞くそうだ

 

値段が高い事が、ある意味でこの人達のステータスであって
その高いサービスを自分はわざわざ受けに来ているのだと
いちいち口に出して
確認して、満足しているのかもしれない

 

 

彼らの洗車は
快洗隊でやっている極上洗車に似ている
違うところは、必ず2人かがりで作業をするところ
人件費が安いので、その方が効率が上がっていいのだそうだ
だから、作業ローテーションがかなり違う
頼さんが、刈谷に一週間来て憶えていった快洗隊の洗車を
上海風にアレンジしたものだ

 

 

もう一つ、違うところ
みんな、ゴシゴシ擦るのだ
「あんなに擦ったら、かえって車が痛むよ」というと
『そうなんですよね、
だけど、サラッと洗っているとお客様が
「何でしっかり擦らないのか、さぼっているのか?」って言うんですよ。
しっかり擦らないとサボっているというのです。』

 

なるほど
私は、妙に納得してしまって
その上で何を言えばいいのか分からなくなってしまった

 

 

話を変えた

 

「いずれにしても、キーパーの台数が少なすぎる
日本の快洗隊では、キーパーの台数が洗車の台数の半分以上ある
洗車をしているだけでは、いずれ飽きられてしまうよ。
キーパーのキレイさまで教えてしまわなくては。
そのためには、絶対メニューが必要だ。
日本の快洗隊のメニューを中国語訳したものを作って上げる。
それを使って、きちんと説明するようにしたら?
ここまで、日本の技術が受け入れられているのだから
絶対キーパーも売れるよ。
そして、もう一度、技術をきちんとしよう。
このままでは、いけない。
一度、快洗隊のメンバーを上海に来させるから
みっちりと鍛え直そう。
11月には、横浜の方で一軒大きな店をオープンするので忙しくなる
その前にやろう。」
「それから、堂々と“快洗隊”の名前で洗車をやろう
そして、月の洗車売上10万元の店を作ろうよ。」

 

また、とんでもない約束をした。
快洗隊の諸君
私は、とんでもない約束をしてしまったのだ
10月のいつか
快洗隊のメンバーが、日本と同じように
ここ上海で
快洗隊の洗車・キーパーコーティングの特訓をやる約束をしてしまった

 

事務所で頼さんと

 

 

もうすぐ、上海に快洗隊が生まれるのだ

 

ひっきりなしに洗車のお客様がやってくる
頼さんいわく
「いつもは、こんなに来ないよ。きょうはすごいね。」

 

 

そうなのだ
私は、なぜか福の神なのだ
フッフフフフ・・・

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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