谷 好通コラム

2004年04月24日(土曜日)

939話 必要条件は要素

今日でショーが終わった。

 

ショーのような最終日が決まっている行事があると、それが終わった時点で、
ゴールに来たような気がするが、
実はここからがスタート。

 

体はクタクタに疲れていても、
ここがスタートであることを平然として受け入れるには、
かなりのエネルギーが要るものだ。

 

 

小学校か、中学校であったか記憶は定かではないが
算数か数学の勉強の中で
「必要条件」と「十分条件」という言葉があった。
数学的な意味ははっきり憶えていないが、
こんな風に憶えている。
「何らかの事を成す為に、
必要欠かさざるべき条件が『必要条件』であり、
何らかの事を成す為に
これ以上のことは必要ではなく、十分である条件のことを『十分条件』という。」

 

たとえば、
誰かが富士山に登ろうと思ったら、
そのための“体力”は、必要である。
しかし、“体力”を持っていることは必要ではあるが、それだけで登れる訳ではない。

 

日本一高い山に登りきるだけの体力があることが必要であると同時に、
必要な分の装備が必要であり、
最後まで昇りたいという一生懸命な気持も必要であり、
登頂出来うるだけの天候に恵まれなければ、実際に上りきることは出来ない。
そして、絶望的な不運に巡り合わないだけのホンの少しの幸運も必要だ。

 

この場合の必要条件とは、
「必要な装備」「十分な体力」
「一生懸命」「富士登山に適した天候」「ホンの少しの幸運」
必要条件が全部揃って「十分条件」となり、
富士山を制覇することが出来る。

 

事を成すための必要条件に、大抵の場合「一生懸命」がある。

 

何でも一生懸命にやれば、
とりあえず実現しそうであるが、なかなかそうは行かない。

 

たとえば私が富士登山に挑戦したとしても、
体重92.5kg、片足が云う事を利かず、
運動不足で、タバコを一日2箱を吸い、酒が好きで、食べるのが好きで
慢性の睡眠不足のストレスのカタマリである52歳のオッサンが
いくら“一生懸命”富士山の登ろうとしたって
現実的な問題として命の危険があるだけで、頂上制覇を果たすことなどあり得ない。
“一生懸命登るだけ”では、
頂上までは登れないのだ。

 

どうしても、富士山の頂上に登りたければ、
呼吸系の機能を取り戻すためにタバコはやめるべきであろうし、
足に限界があるのだから、体重を少なくとも標準までは落とさなくてはならない。
一生懸命登る前に、
頂上まで登ることが出来るだけの“能力”を身に付けなければならない。
能力を自分につけてこそ
“一生懸命”が活きてくる。
能力も無いのに、ただ一生懸命になって登っても、
決して登りきることは出来ない。

“一生懸命”は、必要条件であって、十分条件ではないのだ。

 

ところが、“一生懸命”は、
本人が一生懸命なので、「やるだけやった」という、とりあえずの満足感がある。
この満足感が厄介で、
能力がまだまだ足りないので仕事としてはやれていないのに、
やったという満足感だけが先行して、
やれていないという仕事としての評価に対して
「解かってもらえない」という被害意識が持ち上がってくる。
一番厄介なのは
この過程によって、低いレベルで成長を止めてしまう場合があることだ。

 

必要条件は、十分条件の中の一つの要素であって、
それ自体では十分ではない。

 

会議などでよく言う言葉がある。
「一生懸命にやることは当たり前のこと。
いい加減にやってうまく行くことなんてありゃしない。
だけど、一生懸命にやったこと自体を誉めてもらえるのは、幼稚園か小学生までで
社会人としては、一生懸命やっても目標を達せられないのならば、
それは、自分自身にそれだけの能力しかないという証であって
いまだ能力に課題を持っているということだ。
一生懸命にやったということは、
その結果によって自分の能力がシビアに判定されるということでもあって
滅多なことで、一生懸命やったと言うものではない。」

 

一生懸命は必要条件、十分条件ではない。
気を引き締めて、上海での本番がスタートする。

 

 

8月、24時間耐久レースにドライバーとして参加する。
一生懸命は知ることは当たり前の話で、
しかし、私の体の能力は
とても24時間レースに耐えられるものではないことは知っている。

 

そこで、福井のI氏からのスペシャルプログラム
「24時間耐久レースに耐えるカラダづくりとダイエット」が始まる。
怠惰な食生活は、今日の昼までの中華料理三昧まででピリオド。
真剣に自分の体の能力アップを目指すことになる。

 

[皆さん、谷 好通にエサを与えないで下さい!]

 

※以下、福井のI氏からの命令。

 

[約束/その1]生活習慣の改善が必要です。
■たばこ
5月は1日1箱(20本)、6月は15本、7月には10本まで減らしてください。
(ニコチンが血管を収縮させ肺活量が減少するため心肺機能が
24時間耐久レースに耐えれない。)

 

■お酒
禁酒までとは言いませんが、1日ビール1本(500ml)週3日(1日おき)が理想です。
レースの1ヶ月前(7月)は週1本にしてください。
(アルコールの作用で高TG血症を誘発するため。)

 

■食事パターン
外食が多いようですが、高脂質(牛肉、天ぷら、から揚げ等)の食品を
摂取しないでください。
味は薄味で減塩。和食を中心に腹八分を心掛けてください。
夕食は軽めにしてください。比率は朝3・昼2・夜1の割合が理想です。
夜8時以降はなるべく食べ物は口にしないでください。(お菓子は絶対ダメです。)

 

※こんな命令が延々と5倍ぐらい続いているのです。
谷 好通、今度こそ本気です。

 

上海の報告は、明日ゆっくり書きます。
とりあえず、最終日の記念写真

 

 

またもやBANDO!

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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