谷 好通コラム

2007年09月17日(月曜日)

1733.海水を真水にする

[塩水を真水に変えるのは人類の夢であった]
特に海に近い砂漠などでは、
海水を灌漑に使うことができれば、
不毛の土地を豊かな土地にして利用が出来る。
これを海水の淡水化計画という。
しかし「人類の長年の夢」などというだけあって、
そんなに簡単には行かない。
水からゴミなどの不純物を取り除くのは濾紙などを使えば容易だが、
海水の場合、“塩”が分子的にバラバラになって水の分子と混じっている状態、
つまり溶けてしまっているので、濾紙にかけても塩分も水と一緒に通ってしまうのだ。
蒸留して、100゜Cで蒸発する水と、
そんな温度では蒸発しない塩分とに分ける方法もあることはあるが、
とてもコストがかかって大規模に出来ることではない。
CO2の排出もすさまじい量になるだろう。

 

[昔からあった半透膜と浸透圧の原理]
皆さん、中学校の理科の時間(高校か?)に習ったことを憶えていますか。
「浸透圧の現象」
羊の腸間膜を間仕切りにして、
片側に真水を入れ、片側に塩水を入れて、
水の高さを同じにしておくと、塩水の方の水のレベルが徐々に高くなっていく、
つまり水が塩水の方に、腸間膜を通過して移動していくという現象である。
これは、
羊の腸間膜という水の分子だけを通して塩の分子を通さないという
「半透膜」という膜を介すると、
水に何らか物が溶け込んでいる場合、
その濃度が薄い方(真水)から濃い方に水の分子が移動する力があるという現象の証明である。
その力を「浸透圧」というのだ。
(中学生の時、私はちょっとだけ理科が得意であった)

 

[合成半透膜と逆浸透圧を使って塩水を真水に変える最新の科学]
水分子よりも少しだけ大きい穴が開いていて、
水の分子はその穴を通過するが、
水分子より大きなNaCl・塩(しお)の分子は通過しない。
そんな魔法のような “半透膜”も、
羊の腸間膜のような寿命の短いものではなく、
材料科学が発達して化学製品として丈夫な安定しているものが生産されるようになった。
その丈夫な化学合成半透膜を使って、
浸透圧(水分子が水から塩水の方へ移動する圧力)とは逆の圧力=“逆浸透圧”をかけると、
つまり塩水の方に人為的に圧力をかけてやると、
(この圧力のバランスが非常に難しい。)
塩水から半透膜を通って水分子が反対側に出て、真水が出来るのだ。
この「逆浸透圧法」という技術を使って、
海水の淡水化技術が一気に進んだのは、最近のことである。

 

[逆浸透圧の技術で、“純水”が出来る]
最新の合成半透膜をパッケージにしたのが、ROモジュールという。
このROモジュールに何らかの水を圧力をかけて通してやると、
海水を通せば、水に溶け込んでいる塩も取れるし、
同様に水道水などを通せば、あらゆるミネラルを除去することが出来る。
分子レベルで濾過するのだから、
それよりもはるかに大きい細菌も、バクテリアも、ウィルスさえも除去できるのだ。
だから、分子レベル濾過の精度を上げたものを「純水」と呼んで、
病院などでも広く利用されている。

 

[洗車の最後に純水ですすぐと、洗車に革命が起きる]

 

さて、純水に関わる話を長々と書いてきたが、
この純水で、洗車の洗いの工程最後に車をすすいでやると、
色々な大きな効果があるのだ。

 

 

ここからがこの話の本題となるわけだが、
今日は海でちょっと泳ぎすぎた。
(浮いていたと言った方が正確ではあるが。)
体全体の筋肉という筋肉がだるくなって、猛烈に眠い。
夜中、あるいは明日の朝早く目が覚めたら、
続きの肝心な部分を書いていきたい。
本当は今日が原稿の締め切りなのだが、1日だけパスである。(m(__)m)

 

泳いだのは午後から、
午前中はパックツアーでジャングルの中を見物だ。

 

昨日夜の大雨で、ジャングルの川は大増水。
流れてきた木が泥水のような川にいっぱい浮いていた。

 

 

人の背丈以上もあるショウガの木と花。

 

 

雨の後はこんなカエルがたくさん出てきているそうだ。
文字通りの「イボガエル」
触るとかゆくなるそうだ。

 

 

正面から見たイボガエルの顔。
石川五右衛門の劇に出て来るガマガエルは、こいつがモデルなのかもしれない。

 

 

川の上に立派なクモが巣を張っていた。
ジャングルの中のクモは獲物には困らないのだろう。蚊が多かった。

 

 

緑が美しい。

 

 

グァムは今日で終わり。明日日本に帰る。
あっという間の休暇であった。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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