谷 好通コラム

2008年05月15日(木曜日)

1916.事象の地平線、眩暈

今日は東京に来ている。
朝の新幹線の外はこれ以上ない晴天であったが、
富士山が見える所まで来たら、突然、富士山だけが雲に隠れていた。
幸運の女神富士山が突然見えないのは、
私にとっては不吉な知らせでもある。

 

予感は的中した。
お昼過ぎに予期せぬ悲しい知らせが入って愕然としたが、
そんなことは今日ある仕事には関係ない。
元気が萎えそうになるのをこらえて、無事一日の四件の仕事を終えた。
と同時に、ある意味吹っ切れた。

 

仕事が終わったのは夜8時過ぎ。
みんなで近所にあるいつもの「昼・喫茶店、夜・居酒屋」へ飲みに行く。
東京販売一課が14日時点で早々に予算達成したので、
達成会である。(ちょっと、こじつけ気味であったが)
昼の知らせを吹き飛ばすような楽しい達成会であった。

 

今日のホテルは羽田空港の中である。
明日は福岡へ飛ぶ。

 

東京は日本の中でも特異な場所である。
全力で自分を取り戻すか、
時間が止まり、空間が湾曲した特異点に身を任せるのか、
みんながブラックホールの事象の地平線の上をギリギリの所でさまよっている。
そんな空間のような気がした。
ここを物にしなければ日本を制することは出来ないし、
かといって、一線を越えると、光をも脱出できない事象の果てに入る。
そんな世界にはまり込んだような人のことを思い、
酔った頭で、幻惑の感覚に襲われて目眩がする。

 

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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