谷 好通コラム

2008年05月20日(火曜日)

1920.鉄人28号と疲れた一日

今日はドイツSONAXの輸出部長Mr.クリーガーと一緒であった。
通訳はいつもの吉村さん。
海外の人と通訳さんを介して話をするのは
いつもながら難しいものだと改めて感じた一日であった。

 

こちらが喋った日本語がたとえば2分だとすると、
ドイツ語に通訳して相手に話すのが2分。
そして、相手がドイツ語で返事を喋るのが2分。
それを日本語に通訳して、私が聞くのが2分。
すべてが2分だとしても、
私の理解できないドイツ語でのやり取りが日本語の間に4分間存在するのだ。
その4分間は空白の時間。
ボォーっとしているしかない。
その間、自分が話したことを忘れてしまうことだってある。

 

また、人から人へと同じ日本語で伝え話していっても、
4人目に伝えられたことは最初の内容とはずいぶん変わるものであって、
それが微妙に語彙の食い違いがある異国語で伝えられるのだから、
なかなか正確に伝えられるとは限らない。

 

だから、通訳さんは日本語を直訳してドイツ語にするわけではなく、
その意味を理解して、伝えることになるのだが、
話された内容について、それがたとえば専門的なことになると理解が難しくなって、
こちらが話したことと、二度の通訳を介して返ってきた返事の内容が、
噛み合わないことも度々である。

 

異国の人とのビジネスの難しいところである。

 

最近は、パッタリと外国に行かなくなって、
通訳さんを介してのビジネスの難しさと、イライラ感を久しく忘れていたが、
今日は久しぶりにそれを感じることが出来た。
ある意味、懐かしささえあった。

 

通訳さんを介して話をする時のコツがある。
一つ一つの話を短くすることだ。
正確に話をしようと思って長く話せば話すだけ、
通訳さんがその話を憶えられなくなって、
通訳された時、かえって省略した話になったり、片手落ちの話になりがちになる。

 

相手が5分ぐらい話し続けたのに、
通訳されたら1分ほどの話になってしまうことがよくあるのだが、
そんな時、相手はもっとたくさんの要素について話をしていて、
本当は一番肝心な言葉が、
ひょっとしたら抜けてしまっていることもあるのだろうな。
と、心配になることがある。
話は短く、簡潔に。

 

それと、異国語で通訳さんを介して話す時は、
微妙な表現とか、どちらとも取れる言葉とか、
否定の言葉を否定して肯定にする表現とか、日本語特有の表現は厳禁。

 

また、たとえば質問に対して応える場合、
まず、YesかNoかを言い、
そしてその理由を、出来るだけ簡便に、ストレートに表現する。
あるいは、こちらからの質問は、
ややこしい前置きをせず、
相手がYesかNoかを答えられるような形にしてあげることも必要だ。
何かの説明をする時には、
とにかく結論を明確にすること。
周辺の説明が多くなる時には、結論を何度も入れることも有効だ。
などなど、今までの通訳さんを介しての会話の苦労から学んだことである。

 

これは、普段の我々日本人同士の会話でも同じように事が言える。

 

何かを質問したとき、
YesかNoを言わずに、先に理由を話し始められると
その理由がYesのための理由なのか、
Noのための理由なのか、
結局、何を言わんとしているのかさっぱり解らなくなる時がある。

 

あるいは、何かを説明しようとするとき、
「これは私の勝手な考え過ぎかもしれませんが、
あえて申し上げるのが会社全体のためと思うことにあって、
本当はもっと前に行ったほうが良かったでしょうけど、・・・」なんて、
但し書きをしっかりと言ってから本題に入る人がいるが、
これも、何を言いたいのかさっぱり解らなくなることが多い。

 

相手との会話は、
出来るだけ早い時点で、簡潔に、YesかNoか、あるいは結論を述べることが肝心だ。
その方が絶対、相手に通じる会話になる。

 

簡潔という意味で言えば、文章もそうだろう。
私は書き始めると、つい、長々と書くクセがある。
書いている内に色々なことを思いついて、それをつい、全部書きたくなってしまうのだ。
ダラダラと長い文章は実に読みにくい。
私の下手な文章などはその典型だろう。

 

今日、Mr.クリーガーと一緒で、たくさんの話をするうちに
そんなことを思ったのでした。
通訳さんを介した話は、実に疲れる。
名古屋に帰る新幹線の中で、いつもよりぐったりと疲れを感じるのは、
そのせいだろう。
Mr.クリーガーは一年のうち6ヶ月は海外出張であると言っていた。
ドイツ語、英語、ポルトガル語、(あともう一カ国語)ペラペラのクリーガーでも、
特にアジア圏では通訳さんを介しての会話が多いのだろう。
そんな生活を平然と続ける彼は、鉄人28号よりタフなのかもしれない。

 

Mr.クリーガー。何となく鉄人28号に似ていると思いませんか?

 

 

帰りの新幹線では夕暮れ時の富士山がバッチリ見えた。
あとしばらくはラッキーが続くはずだ。
これこそ明確な解りやすい話である。

 

 

小田原からの富士山。
赤くなりかけた空にボアっとシルエットが浮かんでいる。

 

 

いつもの新富士駅の手前のあたりから。

 

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2008年05月20日(火曜日)

1919.なんで煙がこっちへ

今日は朝8時から快洗隊のグループリーダー会議。
先々月ぐらいから始めて週一回、毎週月曜日にこの会を開く。
朝8時から10時までの2時間だけの会議。
とにかく、出来るだけの人とたくさんのコミュニケーションを持ち、
納得ずくの仕事をしたい。
そう思ってはじめたこの会は、想像以上に大きな意味があった。

 

「風通しのいい会社」を造るには、とにかく窓を開ければいいのだ。
窓を開けるとは、徹底して情報を明らかにし、みんなに相談し意見を求めること。
そして妥協することなく話し合う。
それだけのことなのではないか。

 

「言わないほうが、お互いのためにいい」なんて事は、本当は何もない。
一つでも隠したりすると、芋ずる式に隠さなくてはいけないことが増えて、
あっという間に隠し事だらけになってしまう。
隠し事が増えれば増えるほど、お互いに疑心暗鬼になって、お互いが信じられなくなる。
こんな状態がいわゆる「風通しが悪い」ということなのだろう。
いっそのこと、すべてをあからさまにした方が、
うんと楽であるし、みんなが明るくなっていい。
「言わないほうがいい」なんて事は、
実は言わない人のためだけにその理由があるような気がする。

 

午前10時に会議は終わって、それから何やら仕事をいくつか片付けて、
昼食後、神奈川県の中井秦野にやってきた。
昨年ゴルフGTIカップレースに出場した車「?25ゴルフGTI」に乗り、
やって来たのはレースを主催するCOXの工場。
ここで、今年のレースのためのコンピューターと
ボディダンパーという不思議な装置を取り付けるために持ってきたのだ。
COXにはスーパー耐久仕様のポルシェ997と、
カレラカップ用の997が、いずれも新車で置いてあった。
スーパー耐久仕様が2,800万円。カレラカップ仕様が1,800万円。
意外と安い。
安いと言っても、
市販車のポルシェ997ターボ車が1,900万円以上もするのに、
この車はレース用に徹底した改造が加えられているのに、安いという意味で、
買えるとか、買えないという意味での「安い」ではない。
決して、決して私に買えるような値段ではない。
そういう意味では、「ギェ~~~~」っというほど高い。
でも、997になってから、
シフトがシーケンシャルというほとんどクラッチを踏まない構造になった。
クラッチフットである左足が少し弱い私には、涎が垂れるような思いである。
「見るだけはタダ。」それが一番いいと自分に言い聞かせ、COXを去る。

 

東京販売三課の青木課長にCOXまで迎えに来てもらい新横浜に向かう。
中井秦野まで275kmを付き合ってもらった結城店長と一緒だ。
一人はつまらないし、午後から雨が降り快洗隊は暇になるだろうと結城君を誘ったのだが、
彼は新横浜から名古屋に帰ってもらい、私は東京営業所に向かう。

 

営業所で販売一課と二課のミーティングに半分参加し、
その割にはたくさん喋り、喋ると腹が減るので、
ミーティングが終わった夜9時半ぐらいから独身者と今日は奥様がいない組みと
「焼肉」を食べに行った。

 

新小岩の駅裏にあったあまり見た目のよくない焼き肉屋だ。
「ひちりん」と炭で焼くタイプで、それはそれでいいが、
炭火に落ちた油が焼けた炭に直接落ちるので、煙りがすごい。
その煙が私の方ばかりに来て、極めて煙い。

 

 

煙に巻かれている私がみんなの方を写すとこんな風に写るが、
大量の煙が出ているのに、みんなちっとも煙たそうではない。
煙はすべて私だけに飛んできているという証拠写真。

 

 

・・・・・・・・・・・・
つまり、何が書きたかったのかと言うと、
書いている内に、よく解らなくなってしまった。
でも、もう日付も変わり午前1時近くなってしまったので、
何を書きたかったのか考えるのもやめて、かまわず寝ることにする。
こういうこともある。
たまにはこういうこともあると言うことなのだ。
おやすみなさ~い。

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    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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