谷 好通コラム

2010年06月17日(木曜日)

2529.「実は今度、三人目の子供が産まれます。」

今、第3班が社員旅行に行っている。
一昨日の夜、中部空港を出発して、グァムの現地時間で“午前2時”に到着。
そのままホテルに直行し、二日間の自由時間があり、
明日の“早朝5時半に”グァムのホテルを出発、中部空港に午前10時半に戻ってくる。
だから、3泊2日という変な強行スケジュールの旅行だ。

 

私は1班に行って、3班にも行く予定であった。
社員との交流を考えて二回行くことを考えたのだが、
1班に行って「せっかくの社員旅行、みんな自由に遊ばせたほうがいいな」と思った。
交流と言っても、完全な遊びモードの時に社長の私がいても、
会社の延長のような感じになるだけかもしれないと思ったのだ。

 

それで急遽、3班を私は行かないことにした。
いつもはスケジュールを詰めるだけ詰め込んでいるから、
丸々二日間と何時間かを自由に
今までやれなかったことに当てるのもいいかなとも思った。

 

しかし、土壇場になって用件を作るのはなかなか出来るものではない。
事務所で長い時間が取れたら書こうと思っていた文章も、
いざ、時間がポコっと空くと、
いくつかの文章は書いたが、
他に何を書きたかったのかも忘れてしまうのだ。
時間に追われていると、他に何も出来ないという焦燥感を持つが、
実は、スケジュールを立てず空白の時間を得ると、
逆に、何も出来なくなってしまうことに改めて気付く。

 

この間、テレビの番組で「居酒屋・和民」の渡辺社長が、
「何を実現するのかを決めて、そのためにやるべきことを、時間で決めていく。」
これが自分の夢を実現するためのもっとも近道であり、唯一の方法だと言うのだ。
本当にそうだと思った。

 

実現したいと思う自分の「夢」を、いつまでに実現するのかを決めて、
実現するために必要な行動と到達点を、期限を持って決め、
一つ一つの要件の期限を守って、
スケジュールに従って実現していけば、
かなり遠くにあるように見えた大きな「夢」も、
一刻、一刻と近づいて行くわけだから、今は遠いかもしれないが、
近づいている実感もあるだろうし、無駄なことをすることもない。
今やるべきことを、「夢」を実現する道程の中に期限を持って決めることが、
せっかく授かった「限定された時間の人生」を無駄なく生きることになる。

 

しかし今の私はと言えば、
今が、私の想定の中では出来すぎであって、
ここからどこまで行くのか、行けるのか、行くべきなのか見えないでいるのではないか。
自分が思い込んでいた自分の能力からすればもう100%を越していて、
ここから先は、自分が想定していた以上の領分であり、
どこまで行くのか、どこまで行けるのか、どこまで行くべきかを、
リアルに想像できないでいる自分があるような気がする。

 

私は昔から決して出来のいい子供ではなかった。
リーダーシップを持つようなタイプでもなかったし、
人望が厚いほうでもなかった。
足の障害がコンプレックスになることはなかったが、やはり体力はない。
決して優等生でも、計画性のある人間でもなかった。
少年時代も、青年時代も、
自分に何か優れたものがあったかどうか自分では思いつかない。
創業した時も、仮にも百人を越すような会社になるとは思いもよらなかったし、
最終的にガソリンスタンドを5店舗持てれば万々歳と思っていた。

 

どこがターニングポイントであったのか、
なぜ今こうなっているのか、私自身がさっぱり分からないのだ。

 

だから、先の渡辺社長がおっしゃるように、
「まず自分の夢をはっきり持って、期限を決めて、一つ一つ実現していく。」
というような過程を、私自身は歩んでこなかった。

 

ある時点、ある時点に出会ったことに対して、
「絶対負けないぞ」の気合と、
目の前にあることに対しての欲求だけであったかもしれない。

 

ターニングポイントがあるとしたら、
約20年前に洗車と研磨の研修に横浜に通っていた頃、
こんなことを教えてもらった。
「教えることだ。自分の持っているものを全力で相手に伝え、与えることだ。
それがとんでもないパワーとなって必ず自分に返って来る。
しかし、返りを当てにしてはいけない。当てにせずに与えきること。」ということ。
何とか理論と聞いたがその名前は憶えていない。
もしかしたら、あれがターニングポイントだったのかもしれない。

 

だとしたら、
思い当たる節がないではない。
自分がまず何かをやってうまく行ったらそれを全部公開して、
また考えて、作って、やって、それをたくさんの人にまた教えさせていただいて、
いつも考えて、書いて、造って、やって、・・・
それを何百回となく繰り返して、今の仕組みが成り立って来たのかもしれない。
これはひょっとしたら万能の力を持っているかもしれない。

 

ならば、これからは、
和民の渡辺社長がおっしゃったように、
「何を実現するのかを決めて、そのためにやるべきことを、時間で決めていく。」
この方法を実践する時が来ているのかも知れない。

 

改めて、みんなが、ぞくぞくするような「夢」を掲げよう。
それが何なのかは分かっているし、
自分自身もそれが実現できたらすごく嬉しいと思っているのだが、
自分の中のどこかで「できっこない。」と限界を作って、それに向かうことをせず、
今を楽チンに過ごしているに違いないのだ。

 

今日また「実は三人目が産まれる予定なんです。」と告白された。
この会社は子沢山の家族が多く、
子供は三人がスタンダードになりつつある。

 

みんな家族である。
それがすごい勢いで増えていくのだ。
みんなが幸せにならなければならない。
たくさんのお客様を幸せにさせていただくことで、
あらゆる家族みんなが幸せにならなくてはならない。
十分すぎる「夢」ではないか。

 

二日間、ほとんど予定のないまま過ごしたスケジュールの空白が、
そんなことを思わせた。
その意味では貴重な時間であった。

 

・・・・・
とは言うものの、
じっと座っているとケツに出来たデキモノが痛い。
痛みは人間の意欲を減退させる効果があるのか、
「よしっ、やるぞっ」の気持ちが盛り上がってこない。
とりあえず、
今は、ダイエットを敢行しなければならないのだ。
情けない・・・・。

 

 

※今からケツの痛みを我慢しながらキーパータイムス編集会議である。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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