谷 好通コラム

2012年10月02日(火曜日)

10.2.昔、家に帰るけど泊まらない生活だった

かれこれ今日で4日、家で寝ていません。
へんな言い方だが、家に帰ってはいるのです。
出張先のホテルに泊まり、
朝がた移動して本社に戻り、
本社で一仕事してから家に帰り、シャワーを浴びて、
着替えを新しく持って、
夕方、飛行機に乗って、またどこかの出張先へ行く。
久しぶりにそんな生活になり、帰ってはいるのですが、寝ていないのです。

 

私自身が全国を飛び回っていた10年以上前は、
まさにそんな生活が続き、家に帰ることが出来ない場合は、
着替えを行き先のホテルに送ってもらったことも、たびたびありました。
今振り返ってみると、
もう二度と私には出来ないなあと思います。

 

しかし、今はそれを営業本部長の鈴置常務がやってくれています。
それで私は意地悪に
「あんまり家に帰らないから、家庭が崩壊しているんじゃない?」と、
酒を飲むたびにからかいます。
でも、本当は絶対にそんなことはないと知っているのです。

 

仕事で日本国中を飛びまわっているご亭主の健康を、
気遣っていない奥様なんていません。
亭主が仕事ばっかりしているので、
家族サービスが少ないと言う不満はあるかもしれません。
しかしそんな不満は、亭主が仕事で疲れきって帰って来た姿を見れば、
どこかへ吹っ飛んでしまうのです。のはずです。
少なくとも私の場合はそうでした。

 

そんな生活を長くしてきた私は、
ある時を境に、
よほどのことがなければホテルに泊まらず日帰りで帰るようになりました。
それを自分で「おうちに帰りたい症候群」と言っています。
なぜ出張で泊まるのが嫌になったのでしょうか。
たぶんホテルで自分の身の回りのことを自分でするのが、
イヤになってきたのでしょう。

 

私はとにかく忘れ物が多くて、
ワイシャツや靴下は数限りなくホテルに忘れてきました。
髭剃りムースやカミソリ、洗面道具もいくつ忘れてきたか。
昔のことですが、携帯電話は10以上は置いてきました。
PCすら忘れたことがあります。

 

ホテルで荷物を開いて、
いっぱい物を出して、
それを毎朝、カバンに戻す作業がものすごく面倒で、苦手で
あまり時間に余裕がない時には、本当に泣きたいような気持ちになります。
時には、かんしゃくを起こして、
何でもかんでも手当たり次第、
脱いだ服をカバンにクシャクシャのまま押し込んだこともあります。
家に帰り、そんなクシャクシャに押し込まれたシャツを見て、
「イライラしちゃったんだね。仕事、大変だったんだね・・」
そう言われると、自分を思いやってくれた言葉に嬉しい気持ちと、
家にいたいという気持ちがごちゃまぜになって、
涙が出てくるような思いでした。

 

それで、ふと、いつの日か日帰りが始まったのです。
鈴置君も、いつかそんな日が来るのかもしれません。

 

しかし、今日は久しぶりに家に泊まることになったのに、
東京から野崎課長が打ち合わせにやってきたので、
つい、また、「火鍋」になってしまいました。
火鍋は誰にでも美味くてヘルシーなのです。

 

 

今日はいいことがあったわけです。
東京からの新幹線の中から不意に富士山のてっぺんが見えました。

 

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2012年10月02日(火曜日)

10.2.すべてを明らかにする事ほど強いものはない

今年6月の決算には、
監査法人を入れて会計監査証明をいただきました。
会計監査とは、
税務署に届ける税務上の決算とは別に、
税務的には経費と認められない引当金までをすべて計上して
この会社の現時点における会計的な損益を厳密に計算するものです。

 

たとえば、キーパーラボで発行している「ポイント」は、
お客様が洗車・コーティングの支払い時に使用できるものなので、
税務上はポイントを使用した時点で経費として計上できるものですが、
会計的には、将来的に使用されるであろうポイントまでを計算して、
引き当てをします。
あるいは、社員、役員が決算時点で退職した場合に、
規定どおり支払われるべき退職金も全額引き当てられます。
あるいは、事業用定期借地としてお借りしている土地に
アイ・タック技研が建てた店舗が、契約上お借り出来る機関を過ぎた時点で
簿価として残存するであろう建物の資産を引き当てます。
と同時に、その時点で更地にして返すための工事費まで引き当てます。

 

しかし、これらは会計上は損金として引き当てたとしても、
税務上は経費として引き当てる事は出来ませんので、
税務上としての利益で法人税を納める必要があります。
だから帳面上は、
税務上での法人税を納めたあと、
特別損として計上された会計上の損金が引かれて、
会計監査をはじめたその一期は、
それまでの長い期間の引き当てを一挙に計上するため、
会社の収支はほとんど利益が出ていない形になります。
あるいは赤字になります。

 

これは株式を上場する時に必ず行われる手続きです。
しかし、アイ・タック技研㈱はこの会計監査を、
株式上場する準備のために行ったわけではなく、
会社をより公明正大にするためであり、
会社を一切私物化することができない体質、体制を作り上げるためです。

 

それが創業家であり、代表取締役であり、社長であり、
誰であったとしても、
個人として、
法人である会社の利益、財産を私物化することは、
会社法の精神として、本来的に許されません。

 

今後、会社をとりまくすべての人に対して、
会計監査を受け、監査証明を受けた公明正大な会社として、
出資をお受けしていく準備も計画しています。

 

二年後の引退を宣言した私としては、それ以降を、
この会社を、社会の公器であるべき会社本来の意味としての会社にしたいと、
株式上場を目指す目的ではなく、
会計監査を受けることにしたのです。

 

その意味は、解っていただける人だけに解っていただければ、
いいのかなとも思っています。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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