谷 好通コラム

2018年02月27日(火曜日)

2.27.簡単なポイントなのに、しない訳がある?

家の近くに有名な手作りパン屋さんがあって、
一週間の入院後の昼、近くを通ったこともあったので
久しぶりにこのパン屋さんに立ち寄った。
お客さんは大して多くなかったが、
パッパッパと6つぐらいパンをトレーに乗せて、直ぐにレジに並んだ。
パンはおいしいのだが、
このパン屋さんはレジがものすごく遅くて、
大したお客様の数でなくても、すぐに十人以上もレジに並ぶ。
だから、パンはさっさと選んですぐにレジに並ぶのだ。

 

このパン屋さんは一店目のこの店が開いたころは今よりもっと混んでいた。
レジも確か三つあってたくさんのお客様をさばいていて
たぶん今の何倍かの売り上げがあったに違いない。
交通整理が出るほど混んでいたのだが、
今ではそれほどでもない。

 

もっとお客様を増やすには、
ポイントは
レジに決まっている。
レジの人数、あるいはレジの数そのものを増やせば、
お客様は長くレジに並ばずに済んで、もっとこのパン屋に来るのに、
今は、無駄にレジに並ぶ時間が長すぎる。
誰だってすぐに分る簡単なことだ。

 

しかし、あえてそれをしないのは、(多分あえてしていないのだと思う。)
この人気パン屋が、愛知県大府の本店を皮切りに、
関東でも大ヒットして、多店舗を急速に展開しつつあるそうだ。
当然人不足になる。
腕のいい職人を大量に生み出しながら急成長するのは難しい。
どこかで生産調整するしかなくなって、
しかしパンは味が命、絶対に品質を落とさずに、生産調整を考えた場合に、
行きついたのが、店のボトルネックを「レジ」にしたのではないか。

 

なるほど、これなら絶対に品質を落とすことなく、
生産調整が出来ている。
なるほど。
なるほど。

 

ふと、そんなことを思い付いた。

 

 

そんなことを思っていたら、
ふと、もう一つのことを思い付いた。

 

病院の食事は、贅沢をいう訳ではないが、あまりにもマズイ。
なぜあそこまでマズイのだろうか。
だいたいが「減塩食」なので、味は薄すぎるぐらいなのだが、
味が薄いだけでは、あそこまでマズクなくてもいいだろう。
だいいち、
あの病院食の白飯は、健康の為に
米のでんぷん質を前もって分解か何かしてある特別な米なので、
特別にマズイのかと思っていたら、
何していない普通のコメだと、今日聞いた。
単にまずいお米だったのだ。

 

私も頑張って、
一食について『大人のふりかけ』一包だけ追加で、
何とか全部を食べた。
「大人のふりかけ」を見つかって、禁止されたら、
病院食全部を食べる自信がない。
病院食に「大人のふりかけ」は、絶対的な存在なのである。

 

 

今、大病院は高度医療だけでなく、
高付加価値な差額ベッドに力を入れているという話を聞いたことがある。
ならば簡単だ。
豪華な設備でなくても、グルメな料理でなくても、
三食、うんとおいしい「米」で食事を造ってくれれば、
私はまったく文句ない。
噛みしめると甘く感じられるような、とにかくうまいコメがいい。
大人のふりかけなしでも食えるような米が出れば、
特別室だってなんだって入る。
ポイントは米である。

 

しかし、こんなことは誰も気が付いていない訳がない。
では、なぜしないのか。
たぶん、入院=美味しい。になっては、
困ることが、何かあるのではないだろうか。
みんな健康に気をつけなくなってしまうのかもしれない。

 

病院食の米がうまくなると、・・・
だんだんどっちでも良くなってきた。

 

家の前の梅畑の梅の花が咲いてきた。
もう、春だ。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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