谷 好通コラム

2013年04月10日(水曜日)

4.10.北朝鮮の危険な状況を、韓国の人はあまり知らないそうです。

今日4月10日を境に、以降、
北朝鮮が韓国に対して戦争行為を行うとか、
ミサイルを発射するとか、テレビも新聞もトップニュースとして扱っている。
そして北朝鮮の金正恩が演説する映像などを連日放映し、
北朝鮮の国営テレビに出ているお役人アナウンサーの声をそのまま流している。

 

ところが、昨日、韓国から来られた人に聞くと、
韓国では金正恩の静止写真はテレビに写っても、演説する姿は放映されない。
だいいち、10日を期限に北朝鮮が戦争行為に及ぶかもしれない。
などと言うニュースは、韓国ではほとんど流されていないそうだ。
無用な混乱を避けるために、
報道管制が敷かれているのか、
あるいは韓国のメディアが自粛しているのか。
韓国から来たその人は「何を騒いでいるのか・・、」と余裕を見せていた。

 

 

それに似たことを経験している。

 

東日本大震災に伴う原子力発電所の大事故で、
事故後の数日は、非常に危険な状態であり、
そのまま事態が進めば、
日本の面積の半分の国土に人が住めなくなってしまうなど、
日本という一つの大国が、何十年にわたって再起不能になる危機的状況だった。
あれから二年経った今、
その危機を、間一髪で回避した事実を、
何かのニュースでさらりと伝えていた。

 

しかし、あの当時、
日本の政府も、野党も、学者も、
報道機関に乗せた情報は、
その危機を感じさせないように加工されていた。
たとえば、
事故当初のごく短い時期、
何度か使われた「メルトダウン」という言葉は、
二三日たった後は、
その後何ヶ月かにわたって「禁句」のように使われなくなった。

 

今はもう堂々と使われているが、
そのほかにも、
わざと使わないようにされていた言葉いくつもあって、
使わない言葉をつなげていくと
あの時、原子力発電所に本当は何が起きているのか想像が付いた。

 

その考えを、
ドイツに住んでいるDr.ピッチにメールで伝えた。
「日本では○○○○と報道されているが、
私にはどうしても▼▲△×だと思える。
その理由は・・・・・、・・・・、
・・私の考えは合っているのか、
ドイツではどのように伝えられているのか。」と、質問をした。

 

するとDr.ピッチからの返事は、
「谷の考えの通りだ。ドイツでは、今の日本は▼▲△×だと報道されている。
谷、みんなを連れてドイツに逃げて来い。とにかく逃げて来い。」だった。

 

そしてそれを示唆するような情報を、
インターネットでたまたま見つけても、
ある時間を経ると消えていた。
「ああ、今の日本は強い報道管制に入っているんだ。」私はそう思った。

 

あれが報道管制であったのか、自粛と呼ばれるものだったのか。
私達には解からないが、
あれがなければ、東京は大パニックになったかもしれない。

 

巨大地震で大混乱に陥った日本で、
日本人は暴動も略奪もせず整然と行動し、助け合った。
その光景は「奇跡」と呼ばれ、全世界に感動を与えた。
しかし、あの状況の中で、
同時進行で、
原子力発電所が崩壊し、暴走して、
爆発的に、ちっ死量を超える膨大な高濃度放射性物質が、
人口密集の東京に降りそそぐ可能性が
着々と進んでいると何千万人もの人が知ったら、
人々が冷静でいることが出来たかどうか。

 

そう思うと、時によって報道管制は必要だと思うし、
その報道管制によって、
私自身に降りかかる危機を知ることができなかったとしても、
それが当然であり、いいと思う。

 

パニックを防ぐための報道管制は、あるべき時はあると思う。
しかし心配なのは、誰かの金儲け、つまり”経済”のために、
危機の存在を知らせない報道管制があったとしたら、
たとえば、中国における鳥インフルエンザは、本当はどうなのか、
新型肺炎SARSの時のように、
経済的な理由というばかばかしい理由で、今、報道管制があったとしたら、
それは本当に悔しいことだと思うし、真剣に怖いと思う。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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