谷 好通コラム

2013年05月14日(火曜日)

5.14.キープレフトはれっきとした法律

高速道路を走っていて、
右側の「追い越し車線」を低い速度のまま走り、
後ろが詰まってきても、ちっとも左側の走行車線に戻らない人がいる。
特に休みの日にはサンデードライバーが出てくるので、それがひどくなり、
渋滞の大きな原因になっている。
これは明確に道交法違反の行為である。

 

「キープレフト」というルールがあって、
右の車線、つまり追い越し車線を走る必要(追い越し)がないのに、
キープレフトをしない、つまり左側を走ることをせず
右側車線を走り続けることを禁じている。
追い越し行為をする事なく2分(?)以上右側を走行すると、
何とか言う道交法(名前を忘れた)違反で検挙される。
実際に、無駄に右側車線を走っていて取り締まられた人を何人も知っている。

 

にもかかわらず、
特に休日の高速道路などでは、
左側の車線が空いているのに、
右側の追い越し車線に、ぎっしり並んで走るドライバーが多い。
左側の車線を走っていた方がずっとスムーズで早く走れるケースもよくある。
「走行車線」と「追い越し車線」が逆転したような様相だ。

 

ガラガラに空いている走行車線を制限速度内で走っていて、
追い越し車線をびっしり並んで走っている車を、
逆に追い越してしまうことが本当にある。
そして何台も抜き、今度はゆっくり走行車線を走っている車に追いついたので、
右にウィンカーを出して追い越し車線に入ろうとすると、
ぎっしりの追い越し車線を走る車の列から、
「割り込み」をするマナーの悪い車であるように扱われることがある。
車間を詰めてきて、こちらの車を入れまいとするのだ。

 

変な現象だ。
きちんとキープレフトで走行車線を走っていて、
前を行く車に追いついたから追い越し車線に入ろうとする行為を、
道交法違反で不当にずっと追い越し車線を走り続ける車から、
マナー違反のように扱われるのは、
本末転倒のような気がする。

 

私が思うに、
高速道路の渋滞のかなりの部分が、
キープレフトを守らず
追い越し車線を走り続けるマナー違反の車に原因している。
二車線以上の道路で、
走っている車の数が多いのは一番右の車線、つまり追い越し車線だ。
この車線によって走る車の数が偏っているのが渋滞の原因になっているだと思う。

 

ベルヌーイの法則で言えば、
「流体は速度が高いほど、密度は下がる。」である。
道が空いていて車の密度が低ければ、車の流れはスムーズで速度は上がる。
逆に車の密度が高ければ、車の流れは滞り速度は落ちる。
せっかく道路に二車線あるのに
偏って多くの車が追い越し車線を走れば、
追い越し車線の車の密度が、偏って(かたよって)上がるので、
追い越し車線の速度が落ちる。
速度が遅くなると、密度が高くなり「車間が短くなって」、
トンネルの入り口などちょっとした速度低下のきっかけで、
「波動効果」が出て、簡単に渋滞が発生してしまう。
こんなメカニズムではないだろうか。

 

行楽シーズンの高速道路は、
高速道路に慣れていない人がいっぱい高速道路で出てくる。
そうすると、車線変更が怖いが、人並み以上には早く走りたいので、
追い越し車線を、車線変更無しで走り続ける人が多い。
その結果、ぎっしりの追い越し車線行列が出来る。
すると車の密度がかたよって、
必要以上に車の密度が上がりやすくなり、
なにかのきっかけで渋滞状態に陥りやすくなる。

 

どこかの大学の学者が、
車間が狭くなると渋滞が発生するから、
皆が車間を空けて走れば渋滞は発生しない。との説を言っていたが、
私はその理論は片手落ちだと考える。

 

追い越し車線の車の数が偏って多い⇒車の密度が高くなる⇒
車の速度が落ちる⇒もっと密度が高くなる⇒車間が狭くなる⇒
トンネルの入り口などでの減速のよって波動効果が出る⇒渋滞の発生。

 

だから「車間の狭さ」は渋滞の発端ではなくて、中途の要因であり、
発端は「追い越し車線を走る車が偏って多い」だと思うのだ。

 

だから、考えたのだが、
高速道路の渋滞解消には、
「キープレフトを守れ!」あるいは
「追い越し車線連続走行は道交法違反!」とかの看板をいっぱいつける。
こんな簡単なことが、
案外、ものすごく大きな効果があるのではないだろうか。

 

看板なので費用も安く済む。
費用対効果の非常に大きな法則だと思うし、
渋滞の発生は温暖化ガスの発生を増やす要因でもある。
「キープレフト」は、そういう意味では、エコにも大きな効果があるのです。

 

と、思うのです。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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