谷 好通コラム

2023年07月13日(木曜日)

07.13.深海魚しかいない水族館が、2時間待ちの大人気の訳。

私達のビジネス、例えば直売のKeePer LABOは、

車をキレイなする事しか商品のない店舗で、

ワンストップであれもこれものサービスが受けられる店ではありません。

 

そういう意味では、

リンガーハットに似ているかも知れません。

リンガーハットではあくまでも「チャンポン」が中心の料理であって、

ラーメン・蕎麦・うどんもカレーも、

イタリアンも、日本料理も何もありません。

チャンポンのバリエーションか、付随した料理だけです。

Coco一番屋は、そのカレー版です。

 

その点で私達のKeePer LABOも似た面があるのです。

「チャンポンしかない店」

「カレーしかない店」

「車のキレイしかない店」

 

それで今回、興味を持ったのが

沼津港深海水族館「深海魚しかいない水族館」。

 

水族館と言えば巨大な「回遊大水槽」が花形で、

大阪の「海遊館」とか沖縄の「美ら海水族館」などでは、

世界的にもランキングされるほどの巨大な水槽に、

魚類最大のジンベエザメを、エイとかロウニンアジとか何百種類の魚を放って、

壮大な海の世界を造り上げて観客を魅了している。

何百億円、ひょっとしたら千億円以上の莫大の予算をつぎ込んだ

国家的なプロジェクトとも言えるような水族館だ。

もちろん観客も安定して多い。

 

あるいは鳥羽水族館のように

素晴らしい飼育と展示に秀でた人たちが作って来た歴史があって、

どの展示も見ごたえがあり、

文字通り一日中見ていても飽きない。

私も大好きな水族館の一つです。

 

その一方、

日本国中に数百はあるだろう小さな規模の水族館で、

その多くが観客が極めて少なく、

資金難で閉館の危機といつも背中合わせのような水族館が圧倒的に多い。

 

そんな中、

愛知県の「竹島水族館」のように、

素晴らしく入場者が多く繫栄している水族館もある。

「竹島水族館」は、

飼育スタッフが主役で、

飼育展示の仕方や案内のコメントの書き方が、活き活きしていて、

マスコミにも何度も取り上げられ、多くの若い人の共感を集めて、

弱小な水族館の割に観客が非常に多い、珍しい水族館もある。

 

そのいずれも、飼育され展示されている生き物はパラエティに富んでいて、

海水・淡水に棲む魚類だけでなく、

海獣の類の哺乳類の曲芸や、

イルカショーなどエンターテイメントまである。

そして不思議に、水辺にいるからなのか、よく「カピバラ」がいる。

いずれにしても、如何に観客を集める為に展示の幅を広げ、

多かれ少なかれ観客に興味を持たせて

観客を楽しませる工夫をしている。

 

それは日本国中の数多くの動物園でも同じことだろう。

 

その中で、特異な存在なのが

沼津港深海水族館「深海魚しかいない水族館」。

東京など関東からも中部からも、車で数時間の距離にあって、

飼育と展示は「深海魚」だけと極めて狭く、

観覧時間は45分から1時間ぐらいと

沼津港深海水族館のホームページに書いてあるぐらいの小さな設備。

なのに

いつも入館のための行列が出来ていて、

入館までに待たなければならない時間は2時間とも聞いた。

なぜ、

この沼津港深海水族館にかくも多くの観客が押し寄せるのか。

 

それは、ここが「深海魚しかいない水族館」という反面、

日本国中の水族館には、ほとんどいない深海魚が、

ここにはいっぱいいるということなのだろう。

 

他の水族館には深海魚がいないのは、

深海魚の飼育が極めて難しいということ。

それは「深海魚しかいない水族館」でも、その難しさは同じようにあるだろう。

しかし、ここ沼津港は日本一の深さがある駿河湾での漁の基地であって、

その漁には「底引き網漁」があり、

「底引き網漁」は、深海の駿河湾の海底の魚を

ホンの部分的にではあるが無差別に獲ってしまう漁で、

目的の”売れる魚”以外にも、通常は捨てる雑魚の中に珍しい深海魚も入ってくる。

その深海魚を、水族館のスタッフが漁船に同乗して

自分たちで選別して「もらう?」「買う?」ので、

飼育が難しい深海魚でも、日常的に補充しやすいので、

深海魚の展示が常時出来るのでしょう。

 

だからこの「深海魚しかいない水族館」は、

日本一の深海のある駿河湾にあるので、

底引き網にかかってしまい捨てられる運命の深海魚を

いつも、「もらえる?」「買える?」ので、

日本国中で唯一「深海魚しかいない水族館」として成り立っているのでしょう。

 

私の勝手な想像です。

 

その上、この沼津深海水族館は、

世界にここだけにしかない「冷凍保存のシーラカンス」を2本も買い、

(ウィキペディアには数億円と書いてあった)

さらに剥製のシーランス、剥製のメガマウス、ラブカなど、

多くの人が興味を持つような剝製展示、標本展示が豊富で、

人々の好奇心を強く惹きつける。

スターがいるということだ。

 

さらに、この水族館の周囲には

沼津港に上がった新鮮なおいしい魚を食べさせる魅力的な店が、並んでいて、

観光バスで次から次へとやってくるほど賑わっているのです。

その中で、

日本にただ一つしかない珍しい「深海魚しかいない水族館」は、

2時間待ってでも

入って珍しい深海魚を見たその後は、

美味しい魚を食べられる楽しみがすぐそこにあるので、

みんな待つのでしょうか。

 

私は、それを知らなかったので、この沼津深海水族館に来る前に

高速道路のサービスエリアで普通の丼を食べてしまっていたのです。

それだけが今日の残念でした。

 

シーラカンスの剝製。

冷凍のシーラカンス。

今回、食べ損ねたおいしそうな食べ物屋さん。ざッと30軒

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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