谷 好通コラム

2026年05月05日(火曜日)

05.05.「反省しております。」「反省しております。」「反省して・・

 

「スーパーGT第2戦 富士スピードウェー」

決戦前日の予選。、

GT500クラスの#38 KeePer CERUMOは、

Q1で小林利徠斗選手がトップタイムを出して、通過。

Q2では大湯都史樹選手が僅差の戦いの中で4位。

 

続くGT300クラスの#61スバルSTIは、

2位に1秒以上離したトップタイムで1位。見事ポールポジションを取った。

 

我らが#38は、今年20歳の小林利徠斗選手が加わって、

チャンピオンを狙えるところに進める体制になった。

小林利徠斗選手は、

スピードの面においては

このQ1で1位になったところを見ても間違いない。

小林利徠斗選手は、後は経験を積んで、勝負強さを身に着ける事だろう。

そんなことを強く思わせたレースでした。

 

【結果】。

#38の結果はリタイア、ポイントゼロ。

 

#61も結果はリタイア、ポイントはゼロ。

#61車は間違いなくずば抜けた速さだったが、

ウォームアップ中と決勝レースでの2回のタイヤバースト。

タイヤの体制が何かを間違えたのだろう。

しかし、車は抜群に速い。

だから、今年のチャンピオン獲得は、

#61 SUBARU stiでやはり間違いないと、私はまだ思っている。

 

 

メインである#38 KeePer CELMOは、間違いなく進化しているが、

その度に#36 au TOM’Sも、また進化する。

なかなか追い付けないと、大湯選手がほんとうに悔しそうに語る。

今年は、チーム全体が、

本気でシーズンチャンピオンを狙いに行っている。

速さは#38の車にも、大湯都志樹にも、小林利徠斗選手にも十分にある。

今回のスタート4位も、

しかしトップと0.3秒台しか遅れていない誤差の範囲だ。

 

今回の敗因は、スタートから何周目かに前を行く#23にぶつけて、

ドライブスルーのペナルティを課せられてしまった事に尽きる。

 

4位からスタートした小林利徠斗選手は、

3位で前を行く#23 MOTUL フェアレディZを追い詰めていた。

今回のレースは3時間レースで先は長いので、

燃費運転をして給油時間を稼ぐドライブが望ましいと、

レース前に大湯選手は言っていた。

しかし、小林利徠斗選手の目の前を行く#23より、#我が38は明らかに速い。

とするうちに、最終コーナーで#23のインが少し空いたので、

チャンスと、思わずインに頭を突っ込んだ。

まだ序盤の時だったので、

インに頭を突っ込まれるとは#23は思っていなかったのか、インを閉めた。

インを閉められた小林利徠斗選手は驚いて、

あわててブレーキを踏んだら、

タイヤが瞬間的にロックして、ズルっと前に出てしまい、

#23の後部に、#38の左前方の角が当たってしまった。

 

後部を当てられた#23は

コーナーでゆっくりとスピンして大きく遅れてからレースに戻る。

 

#38は#23を抜いたことになって3位に上がったが、

ペナルティがかかることは間違いなく、

その間、

小林利徠斗選手は3位を快走しながらドキドキしていたに違いない。

しかし、ストップの秒数はなかったが、ドライブスルーを課せられ、

ピットレーンを時速60キロの低速で通り抜けるペナルティで、

30秒以上のロスにつながるのだそうだ。

30秒ロスした上での優勝は、

よほどの事でもないととても取り返し出来ない秒数だ。

何かセイフティカー(SC)が入るような事があって、

そして、そのSCが入る位置の都合によっては、

ある程度は取り返せるが、

それでも宿敵の#36 au TOM’Sに勝てる確率はほとんどないだろう。

 

そんな中、

約1時間走った後、

小林利徠斗選手は帰ってきた。

テントに帰って来て、すぐ、

テントの中の私達スポンサー関係者が座っているテーブルに来て、

5つのテーブルごとに、

硬い表情で「反省しております。」と、頭を下げて回った。

目の前が真っ白なんだろうか。

誰も座っていないテープルにまで「反省しております。」と頭を下げている。

涙を浮かべている訳ではないが、硬い表情だ。

真面目な性格なんだろう。「反省しております。」と言って回っている。

 

何とイイ奴だろう。

反省できる内は、人間はいくらでも進化し、成長できる。

大したことない自分に自信を持ってしまい、反省しなくなる奴はいくらでもいる。

その人間は、もう進化も成長もしなくなって、

一言で言えば、使い物にならなくなる。

 

そんな中途半端な人間がゴロゴロしている中で、

日本の一番人気のあるレースのトップカテゴリー500クラスに登り詰めて、

そのレースの中でトップを取るのにちょっとした失敗をして、

つまり、

長いレースの序盤で無理して頭を突っ込んで、接触してペナルティをもらった。

もちろんあってはいけないミスだが、経験の少ない彼には判らなかったのだろう。

 

下手をしたら自分のやった事を攻撃的な姿勢として

自己弁護し正当化してしまう情けない奴だっていくらでもいる。

仕事の中ではこんなことはいくらでもあるものだ。

 

それを、小林利徠斗選手は「反省しております。」と、

クソ真面目に頭を下げて廻っていた。

その顔と姿を写真に撮ることは、とて出来なかった。

彼はフィジカルがついてこればではあるが、

もっとすごく進化して、すごいドライバーになると思ったのでした。

 

その後、大湯選手は、接触の時に破損したフロントのエアロが壊れて来て

結局リタイヤせざるを得なかった。

(写真はまだエアロが壊れていない時のもの)

レースがまだ終わっていない時間、帰る車の中から。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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