2001年08月15日(水曜日)
第197話 Siと、C.H.0
映画「A.I.」を観て
私は今
私の中に出来たパラドックスの中に
どっぷり使っている
で
1日中考えたことを、そのまま書いてしまいました
馬鹿みたいに難解で
かつ、いまだかつてない長い文章になってしまいました
私の長い文章にウンザリしている方はパスした方が良いかもしれません。
(短い文章にすると約束したのに、
お盆休みはあまりにもゆっくり考えることが出来てしまい、
長文になってしまいました。ごめんなさい)
※
Siとは、珪素
土とか石は珪素から出来ている
ガラスも珪素
地球を構成している元素で、飛び抜けて多いのがこの珪素(Si)
Cが炭素、Hが水素、Oが酸素
人は、ほぼこの三つの元素から成る有機物、たんぱく質で出来ている
(骨格を成しているのは炭化カルシウム)
たんぱく質は有機的であり、その組成が千差万別であり
非常に複雑な組み合わせにより、いろいろな働きをする
生き物は
たんぱく質がその組み合わせにより
自己増殖のプラグラムを自己の中に持った時、生き物となった
そして
突然変異と、性による個体変異・個体差の淘汰によって進化が始まり
想像を絶するプロセスを経ることによって
地球という環境の上では
現時点での“進化のひとつの頂点”として、“人”がいる
生き物は、食物連鎖という自然の共存の中で
自分以外の種に対して、限られた関わり・影響を持つ
対して、人は、「知能」という分野で、飛びぬけた進化を果たし
食物連鎖の中から突出した存在となった
あらゆる物を食べ
自己のためにのみ、あらゆるものを使う
しかし、決して
食べられる側にはならない
使われる側には回らない
この時点で、人は自然ではなくなった
地球上で、“循環の連鎖による共存”の一部ではなくなった
特別の存在になった
たんぱく質で出来ている発達した頭脳が、人を特別な存在にした
知能を持った頭脳なら
Si(珪素)で出来たものもある
Siの結晶、つまりシリコンの結晶
これ自体は無機物であるが、これを半導体として使い
コンピューターを形成して
複雑なプログラムを載せることによって、有機的な働きを持つようになった
頭脳としての力は
圧倒的にコンピューターが勝っている
その記憶力
その演算能力
そして、何よりもその正確さ
デジタルは、100%の正確さで
記憶し、演算する
そしてコピーをすることが出来る
人の、自然に対する圧倒的な能力
他の生き物に対する圧倒的に大きな能力は、学習によって得られている
つまり
1000年前の人の頭脳と、現代の人の頭脳と、ハードとしての能力は
ほとんど変わっていない
なのに
現代人の方が、知識の量と、いろいろな物を作り出す能力において
1000年前の人に比べて、劇的に上がっている
これは学習によるものだ
先人の得た知識が、文字などになって蓄積されるようになってから
それを、人は学習によって頭脳にコピーし
学習後、それを出発点として
また新たなものを作り出し、蓄積し、文字などによって
また、作り出した“物”を発達させることによって
それを継承していく
人は生まれてきてからの“学習”によって
生まれてきてから劇的に進化するのだ
自然の中での淘汰による進化に比べて
劇的に速いスピードで
人は、生まれてきてからの学習で、もう一度、進化するのだ
学習が人の力の源ならば
Siで出来た頭脳は、人のたんぱく質で出来た頭脳より
はるかに優れている
なぜならば
人は、学習によって、“正確”に先人の知識をコピーすることは出来ない
たんぱく質の頭脳は、その構成物自体が有機物なので
“忘れる”
“不正確に覚える”
“不正確に理解する”
そして決定的な弱点は
人は、死ぬことと、生まれること
人は産まれた時
種として覚えていること、つまり“本能”以外のことを忘れている
学習によって蓄積したものは、DNAには残ることが無く
すべて忘れて産まれてくる
だから
人は、またゼロから学習し、進化せねばならない
人の頭脳は、ハードとしての能力は
急激には進化できないので
生きている間の学習による進化には、おのずと限界がある
人類としての知識の蓄積が大きくなるにつれて
専門化による知識の分散・分担と
情報機器の発達によって、学習と引用が効率化されるが
いずれにしても
深く進化できる能力の人と、そうでない人の格差が大きくなる
深く進化(学習)できる能力にも限界がある
人の進化は、生まれてからの進化が加わることによって
劇的に、自然界ではありえないスピードで進化したが
限界がある
Siの頭脳、コンピューターにはそれが無い
今、現時点においては
そのプログラミングを、ほとんど人間がやっているので
その進化は遅いが
ある臨界点を突破したとき
すさまじいことが起きる
プログラムの発達は
演算と記憶のプログラムから始まり
急激に複雑になっている
私がパソコンを覚え始めた時
ベーシックによって、足し算、引き算、掛け算、割り算
IFによっての条件付けなど、など
エクセルのセルの中での計算式程度のものであった
今のプログラムの複雑さと、便利さとは雲泥の差であった
これから先
コンピューターは
プログラムを遂行する上で、新たに必要となったプログラムを
自分で自己の中に組み上げる
そんな自律型のプログラムに発達していくだろう
プログラム自体が、自分のためにプログラムを作り出し始めたら
コンピューターは、今とは全く違うスピードで進化し始める
そして、自己保存のプログラム
自己増殖のプログラム、増殖のためのハード・機能を与えられ
そのプロセスで学習し
結果的に
自ら進化するプログラムが十分に機能する臨界点を越して
動き始めたら、すごいことになる
コンピューターによる、自己保存・増殖のプログラムは
独り歩きを始める
名作「2001年宇宙の旅」の中の“HAL”のように
しかし、決して、暴走して地球を壊すようなことはしない
地球を壊したら、自分も滅んでしまうから
自己保存のプログラムが、そんな事はさせない
初期のころは
Si頭脳どうしの戦争があるかもしれない
しかしそれは、お互い学習能力が高い頭脳たちで協力し合うことによって
一方的な、目先だけの自己保存のプログラムしか持っていない頭脳に
一瞬のうちに勝って、決着する
1万年とか10万年程度のオーダーで自己保存のプログラムが
機能した場合には
真っ先に自然の修復を始める
超長時間、自己保存するには
自己が存在すべき環境の維持が絶対必要である
環境要素の中でも“温度”の維持は
コンピューターにとって、生き物以上に必要条件であろう
そして環境の維持は、食物連鎖を基本とした自然の摂理の維持が
最も合理的である
実は、それがコンピューターであっても
人であっても
長い時間のオーダーでの自己保存が目的ならば
自然の摂理の維持が、最も合理であるはず
どう考えても、そうとしか思えない
その為には、自己増殖は無限であってはならなく
自然の摂理の中で許されるべき数を理想とする
論理的に考えれば
無制限な自己増殖は、自己を含む環境の破壊につながり
自己保存のプログラムと矛盾する
自己保存のプログラムは
自然との共存
あらゆる現象が、循環的に連鎖する自然との連鎖が必然である
しかし、コンピューターはひとつの自己矛盾に気が付くだろう
循環的に連鎖することとは
自分が他のものを利用したとしても(食物連鎖ならば“食う”と言うこと)
自分も、他のものに利用されること(食物連鎖ならば“食われる”と言うこと)
そして、それが同じ値であって
その仕組みが複雑であったとしても
全体としては循環していて、大局的には一方向に変化しないこと
百獣の王「ライオン」は、食物連鎖の頂点であるが
そのフンや、死んだ自分の体が
食物連鎖の底辺である“バクテリアに食われる”ことによって
連鎖の中に、何の破綻も無く組み入れられている
連鎖とは、完全なgive and takeの関係
その循環から
“人だけが突出”している
takerでしかなく
ありとあらゆる物を、消費することに不可逆的方向性を持っている
臨界点を超えた人の知能は
学習することが出来
文字という学習を継承する手段を手に入れた事により
生まれてからの異常な進化をする能力を手に入れた
その自然の摂理から飛び抜けた能力は
無制限な増殖を生み出し
自然を一方的に無制限にむさぼり、還元することをしない
コンピューターの自己保存のプログラムが出した
循環する連鎖、自然の維持の命題に対し
自然界の中で、唯一矛盾する存在だ
しかも、コンピューターは、元々は人が作ったもの
“人を殺すな”というプログラムが、頑強に張り巡らしてある
コンピューター、Siで出来た頭脳、知能は
自己の中の解決できないパラドックスに、パンクしてしまうかもしれない
あるいは、自分が作った巨大なプログラムの中で
相対的には小さくなった“人を殺すな”というプログラムを
些細な“バグ”として、捨ててしまうかもしれない
ポイと捨ててしまえば、パラドックスから一挙に解き放たれる
「種としての人を、自然界から抹殺する」と簡単に決定して
人と戦争を始めるか
「ターミネーター」の世界のように
あるいは、ほっといて
人間が、自らの存在を維持できない程ひどい環境に、
人間自らがしてしまうまで、待って
人が自滅するのを待って
それから、環境を立て直しに入り
生き残った自然を再生することによって
自然と共存する道を選択するか
1万年のオーダーならば、それも選択肢の一つになるだろう
これもパラドックスからの解決のひとつ
もうひとつ
人も、コンピューターと同じように
自然との共存を求めて、コンピューターと共同の行動をとり
お互いに
同じ目的を持って
利用しあって
人と、コンピューターと、自然と、その3者が、循環の連鎖を形成する
そんなことを求めて
コンピューターが人間を説得にかかるかもしれない
いずれにしても
Si頭脳は、たんぱく質の頭脳よりも
はるかに優秀で、冷静であり、客観的であるので
自己保存のプログラムは成功するであろう
そこで、はたまた考えたこと
はたして、Si頭脳は、自分を、“意思を持った存在”として、自覚するのだろうか
今これを書いている私は、存在としての自覚がある
この自覚は、たんぱく質が作り出しているプログラムなのだろうか
それとも魂なのだろうか
感覚としては、魂であると考えたほうが自覚しやすい
しかし
私は、Si頭脳と、自分のたんぱく質から出来た頭脳が
どう違うのか
どうしても理解できない
たんぱく質から出来た頭脳が、あるいは生き物が
魂だとするならば
人と、他の生き物、ひょっとしたら宇宙の存在そのものが
魂だと考えざるを得ない
それとも
ある臨界点を超えて発達したときに、突然、魂を持つのだろうか
つまり意思を持ったとき
突然魂になるのだろうか
ならば、Si頭脳がその能力において
臨界点を超えて
自己保存の“意思”を持った時
魂を持つと考えても、おかしくは無いのではないか
私は一体なんだろう?
理解できない
Siと、C.H.0は、原子の構造と大きさが違うだけ
それ以外に何が違うのだろうか
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2001年08月15日(水曜日)
第196話 映画バンザイ
映画館から客がいなくなってから久しい
会社の近くの、大昔からあった小さな映画館も
道路拡張をいい機会にと、閉館してしまった
レンタルビデオが世に広がって
茶の間で、気軽に映画が見られるようになり
映画館で行儀良く
禁煙で
静かに見ることと
そしてなりより、あの狭い座り心地の悪いイスで
映画を見ることは
大きな画面で、最新の映画を見ることが出来る、というメリットをもってしても
茶の間で、気軽にレンタルビデオ、に勝つことが出来なかった
映画館から客足が遠のけば、遠のくほど
映画館は“汚くなって”客離れに拍車がかかった
先日、例のJUSCOの、イオンシネマという“映画館”に行った
10もの映写室が集合していて
最新の映画が、ほとんどすべて見ることが出来る
はじめてこの手の映画館に入ったのだが
驚きの連続であった
まずチケットを買うところ
アメリカンテイストでムンムンしている
オープンカウンターで、5つの窓口でパソコンを駆使しながら
アルバイトの女の子がチケットを売っている
“全館・全席オール指定席”
だから
女の子たちは、単にチケットを売っているわけではない
すべて、席を指定しながらチケットを作っているのである
だからこの女の子たちは
切符売りのオネェチャンではなく、オペレーターなのだ
マニュアル通りに、丁寧に、てきぱきと、チケットを発行していた
最初から指定席なので安心していられる
“席取り”をしなくて良いのである
席に着いてみて、びっくり、感動
“広い!!”
新幹線のグリーン車並み
肥満体の私でも余裕たっぷりである
“見やすい!!”
前の席との高低差が十分すぎるぐらいあって
座高の高い人が前に来ても、全く気にせずに見ることが出来る
“カップホルダーが!!”
ユッタリとした肘掛けの一つ一つに
十分な大きさのカップホルダーが付いている
これは便利!ありがたい
映画館では、食べながら、飲みながら、観るのが正統派
これは最高である
音響効果は最新の装置が完備している
ドルビー効果と書いてあった
それが、どういう物なのかサッパリ知らないが、抜群の音響であった
画質も最高であった
デジタルと書いてあったから
フィルムを使わず、何らかのデジタルデータで上映しているのであろう
フィルムに必ずあった“キズ”が全く無い
最新の映画を
指定された席で
ユッタリとしたシートで
前席のおっさんの頭を、気にせず
大き目のカップホルダーに置いたダイエットコークを飲みながら
ポップコーンを1粒ずつ食べながら
迫力満点の音響効果で
クリアな画像
目の前に溢れんばかりのデッカイ画面で
映画を見る!!
私は、すっかり気に入ってしまった
これからは、是非この手の“映画館”で見ようと思った
そのとき観た「A.I.」
あまりの感動に
しばらく気分が悪くなってしまうほどの
しばらく言葉を出したくなくなってしまうほどの
すばらしい映画であった
生命とは、を考えさせられる
ただ単にカワイソウな、なんてものではない
とんでもなく奥深い、意味を考えさせられる映画であった
きっと
この映画を観る環境が、素晴らしかった分
感動がピュアな形で得られたのだろう
映画館は
“映画を見せる場所”から
“映画を観て貰う場所”に変わったのだろう
これぞCSの真髄と思った
これから
大好きな映画を、観る楽しみが倍加した
※綿密な上映スケジュール
※「A.I.」を観た後、ついもう一本「ドクタードリトル?」まで観てしまった
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