2023年12月24日(日曜日)
12.24.閑古鳥鳴く店と大繁盛店の差は、紙一重。
私の家の近所に大きなパン屋があって、
何十種類もの嗜好を凝らしたおいしそうなパンと、
それをテーブルに座って食べられるお洒落なスペースがある店。
人口8万人足らずの田舎街で、いつもお客様でびっしりの大繁盛店であった。
その店は有名になって、
日本国中に二号店三号店と次々と増えて、
東京銀座にも店を出し、
有名になって今では何軒もあって人気を集めているらしい。
そうなると発祥の大府店は、この会社の中での存在意義が薄れたのか
あるいは、創業からの相棒へのボーナスなのか、
「のれん分け」に出されたようで、
店名も可愛らしい名前に変わって、明らかに店のオーナーが変わった。
しかし、
店の設備もスタイルも商品メニューも変わらず、
まったく変わらない運営であったようなのだが、
ふと気が着くと、
来店客が激減していて、
あれだけ混んでいた駐車場もガラガラになり、
店にお客様のいない、まさに閑古鳥が鳴く店に変わってしまったのです。
何がどう変わったのか、
前の道を通った時に見た目には、ただお客さんの姿が無くなっただけで、
店の建物・色・装飾も何も変わらず、変わったのは店名だけ。
何が変わったのかさっぱり分かりません。
だから、店の名前が変わる前から来ていた人は、
店名が変わってからもきっと来たはずです。
ただ、続けては来なくなっただけ。リピートしなくなっただけなのでしょう。
商品の製造効率を上げる為に、
(生産効率の維持向上は、よく教えられました。)
パンの店頭展示時間を延ばしたのかもしれません。
パンは出来立てが一番おいしいので、
時間が経ったパンを出していたこの店は
少し、美味しいパンを提供している店ではなくなっていてのかもしれません。
リピートのお客様が減ると、みるみる来店客は減ります。
来店客が減ると、店はすこしずつ閑散として、
閑散として来た店には
新しく来店をそそられるものがなくなって、新規客も激減します。
すると商品の回転がますます悪くなります。
しかし、売れる店であり続ける為には
店頭に並ぶ商品数のボリュームは維持しなければと
(そう、教わりました。)
たくさん並べるから、
新しいパンを造る量が減って、出されているパンはそのまま古くなって、
出来立ての新鮮な商品が店頭に出なくなってしまいます
パンは出来立てが一番おいしいので、
時間が経ったパンを出しているこの店は
この店は美味しいパンを提供している店ではなくなっていて、
客足がますます遠のいたのでしょうか。
どこから、こんな悪循環が始まったのか分かりません。
あるいは、店の中に入ると店の中は清掃が行き届いていて
(よく教え込まれました。)
とてもキレイで、文句なしです。
しかし、店の中の感じのいいテーブルの前の座り心地の良い椅子に座って、
店で買ったパンを、連れ合いと楽しく食べていると、
ベランダの外を囲む植え込みに雑草が伸びきっていて、それは汚い絵でした。
この店の人は、
店内の清掃をしっかり仕込まれていたので、
店の中は隙が無いほどにキチンときれいにしていたのですが、
店の外は守備範囲外なので、雑草がボウボウでも気にならなかったのでしょう。
しかし、その外を見ながらパンを食べる客には、
気分の悪い「汚い風景」でしかなく、
こんな事もリピートをしたくなくなる1つの要因だったのかもしれません。
いずれにしても、この店は、もうすでに閑古鳥が鳴いていて、
暇だから故の救われない現象がいくつも出ています。
抜け出す糸口が見えません。
この店長は、まだ店長ではなかった時、
創業者の店長からの教えを忠実に守っているのですが、
ひたすら忠実に守っているだけなのでしょう。
糸口があるとすれば、
店をあずかる自分自身が、
”客になる”ことでしょう。
客が座る場所に座って、何が見えるのか、聞こえるのか、
客の目になって見て、聞くことです。
客が立つ場所に立って、清算を受けてみること、
なりより、自分が造って並べてから一番時間が経ったパンを
自分で腹いっぱい食べてみる事です。
自分が食べて不味ければ、素人の客だって必ず不味いと思います。
お客様と直接接する商売は、
文字通り、「客観」「客感」を、
こちら側である自分が持てるかどうかにかかっているのです。
店舗を預かる者=マネージャーが「客観」「客感」を持てればいいが、
店舗スタッフの延長でしか物が見えずに考えられないと、
自分勝手な
その店舗は、多かれ少なかれお客様から嫌われます。
店舗を預かる者=マネージャーは、
「客観」「客感」が仕事の原点であり、役割であり、すべてとも言えます。
今日も、年末の大変な大仕事の結果、実績報告が続いています。
こんな時こそ、なおさら、
マネージャー達は「客観」「客感」を発揮してくれているはずです。
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