谷 好通コラム

2009年02月09日(月曜日)

2132.隅から詰めて座って下さい。

昨日東京営業所に忘れたと思っていたカメラが、私のカバンの中から出てきた。
いつもカメラを入れている所と違う場所に入れてしまったらしく、
カバンの底の方に転がっていた。
よく探せば見つかったはずだが、
いつもの「また忘れちゃった。」で済ませたのは、
いつものことだからだった。
この話の最後に昨日撮ってきた写真を、一挙公開。

 

今日一日朝からずうっと会議。
いくつもの会議が連続して続き、
すべてが終わった時には頭の中の脳みそが豆腐のように腫れてしまった。(そう感じた)

 

快洗隊GL朝会で面白い話があった。
「空港内のガラガラに空いているラーメン屋さんに入ったら、
ずらっと並んでいるテーブルの、一番隅っこから詰めて座るように言われたので、
もっと広い場所を指差して『ここに座っちゃイカンの?』と言ったら、
店員さんは、しぶしぶ『はい、いいです。』と言った。
実に気分が悪かった。」
という話である。

 

店の論理は多分こうだろう。
「これから、どれだけたくさんのお客様が入ってこられるか分からない。
だから、出来るだけ多くのお客様に当店の名物ラーメンを味わっていただきたいので、
今入ってきたお客様以外のお客様のためも考え、
“隅から詰めて”座っていただく。お客様のためだ。」

 

それに対して、客の立場から感じたことは、
「これだけガラガラに空いているんだから、自分の好きなテーブルに座って何が悪い。
他の客で混んできたら、空いている所へ座らせればいいではないか。
少なくとも、入ってきたその時はガラガラなんだから、
『隅から詰めて座って』と言われるのは、
客のことなんかちっとも考えていない店のエゴだ。」と。

 

どちらが正しいだろうか。
もちろん後者である。

 

お客様が当然感じるであろうことが正解であり、
お客様がその店を「客のことを考えていない店」と感じれば、その通りなのだろう。

 

しかし、隅っこに座らされたあと、
本当にまたたく間に満席になったとしたら、
たしかにお店の人の言う通りだった。ということにもなる。
東京などのビル街での昼食時の食堂やレストランで、平日の毎日に繰り広げられる光景だ。
この場合には詭弁でも何でもない。本当の事なのであろう。
みんなが詰めて座り、協力し合って出来るだけ多くの人が昼食を取らなければならない。
最初、「隅の席から・・・」と言われた時には、
ムッと来て「客のことを考えていない店」と感じても
満席になってきた様子を見て、ムッと来た自分を恥じ「まぁ仕方ないか」となる。

 

しかし、隅っこの席から詰めて座らされたあと、
ちっとも混んでこず、ガランとしたままだったら、
「お客様のため」と言いながら、
実は「出来るだけたくさんのお客を詰め込みたい。」というだけの店の本音が見え、
「お客様のため」が薄っぺらな詭弁であると感じ、
「二度とこんな店来るもんか。」となる。

 

「隅から詰めて座ってください。」は、
そのあと混んでくれば、「まぁ仕方ないか。」程度で済むが、
ガランとしたままだったら「二度とこんな店来るものか。」となる危険な言葉なのだ。

 

快洗隊での「予約制」も同じような危険性をはらんでいる。
店が混んでいる時は、
「予約制」は、お客様の待ち時間の負担を和らげるために有効な
「お客様のため」の方法だが、
混んでもいない時に、
お客様に「今度はぜひご予約を・・。」と予約制のご利用をお勧めするのは、
その時のお客様から見れば、店の都合のためとしか思えず、
「予約をしなければ歓迎されない不便な店」になってしまう。

 

最初は「お客様のため」であったものが、
それが当たり前になっていくと、
いつの間にか「自分たちの都合のため」に変化して、
予約をおすすめする時「お客様のために」とスタッフが言えば、
それは薄っぺらな詭弁に聞こえてしまうこともある。

 

謙虚に、謙虚に、
私たちの一つ一つの言葉がお客様にどう聞こえるのか、
お客様の立場になりきって、我が言葉を聞き直してみなければならない。
お客様のためにと思って作られた一つ一つの仕組みが、
お客様にとってどう感じるのか、
いつの間にか、自分たちの都合のためのものになってしまっていないか、
お客様の立場に立って、我が店の仕組みを見直してみなければならない。
謙虚に、謙虚に。

 

 

昨日の関東快洗隊5店舗巡り。

 

明日からドイツへ6日間の出張。オリバーカーンの撮影に立ち会う。
まだ何も準備がしてない。
いい加減そろそろやらないとまずいので、すべての写真のコメントはなしです。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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