谷 好通コラム

2024年04月30日(火曜日)

42話+43話. 2018年11月.社長を退き、代表取締役会長兼CEOに就く。

 

 

42話 その① 2018年11月.社長を退き、代表取締役会長兼CEOに就く。

 

2018年6月期に新店の出し過ぎで、初の減益決算を出した後、すぐ軌道修正をして元の出店ペースに戻した。そうしたら、無理して出した新店も2年目を迎える店もあり収支も改善されてきていた。さらに会社全体としては前年比20%増レベルの黒字体質があったので、2019年6月期はすっかり元の成長ペースを取り戻していた。それをしっかりと感じた上で、2019年2月、私は社長職を退き、代表取締役会長兼CEOに就いた。そして経営責任を取る立場のまま、企業活動の先頭に立つことをやめた。

私は創業社長にありがちな「なんにでも首を突っ込み、いちいち口を出し、自分の思い通りにならなければ気が済まない独りよがりなワンマン社長」であった。ゼロ・無の状態から一つの事業を立ち上げる=創業をする者は、強い創造性と実現力が必要なので、その方向で力を入れていると、自然に、良い意味でも悪い意味でもワンマンになりがちになる。そのオリジナリティが豊かで独自性の強い発想と企画力に加えて、実現力、リーダーシップなどが大きなエネルギーになって会社が成長する訳だ。

しかし会社がある程度以上の規模になってくると、社長が会社の活動の隅々にまで目が配れる訳でもなく、社員一人一人を掌握することも出来ず、かといって自身が全国を駆け巡る移動時間は多く必要で中途半端なワンマンになると、会社全体の機能が低下する。すると焦りが出て、経営判断にも狂いが生じる。

 

そんな悪循環を断ち切るためには、悪循環の根源であるワンマン社長の動きを止めるしかない。その為に権限移譲が必要になる訳だが、会社での”力関係”をそのままでは「権限移譲」も単なる形式的なものになりがちで、ほとんどの場合うまく行かない。それを円滑に進めるには世襲が有効だが「企業は個人の所有物あるべきではない。」は、私の信念なのでそれもしない。それで、上記の手段を取った訳だが、それには私自身の事情もあった。

 

 

43話.その⓶ 2019年.社長を退き、代表取締役会長兼CEOに就く。

 

私はその約二年前2017年に体を壊していて、あまり行動的な動きが出来なくなっていた。(今現在は2021年の手術を経て完全に全快している。)

そんな事情もあって、2017年から2018年にかけて焦りが出て、無理な出店ペースで初の減益の失敗をした背景もあった。

しかし必要に駆られてという事情があったにせよ、結果的にこれは良かったのでしょう。私が出張をほとんどしなくなり、営業の現場にも出て行かず、客先ともほとんど会わず、店舗の現場にもあまり行かず、ほとんど事務所にいて、訪問客とお会いしたり、企画関係の仕事に精を出して、社内会議にほとんど出席するいわゆる普通に経営責任者CEOらしくなったのです。実務は新しい社長と専務が先頭に立ってくれているので安心です。それで、業績も落ちることなく安定して成長しています。

 

それまで私は、それが営業先であれ、店舗であれとにかく現場を精力的に回って、いっぱい見て、いっぱい考えて、いっぱい意見を言って、指示も出し、自分の思い通りに会社を動かそうとしていました。しかし会社が大きくなってくるにつれて、うまく行かなくなっていることは間違いなかったのです。しかし中々モードを変えられずにいたのですが、体を壊したことを機会にガラッと仕事のスタンスを変えて、実質的に実務の部分を若い幹部にすべて承継してしまうことが出来たのです。病気のことなど不本意な部分があったにせよ、ある意味、結果的に大成功でした。と、思います。

 

 

しかし、社長を退いた当時、私はこんなことをこのブログに書いていました。

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ひょっとして、色々な面において「早すぎた」かもしれないが、

「早すぎた」は、

「遅すぎた」よりも100倍マシであって、

「遅すぎた」は、ほとんどの場合において、取り返しがつかないが、

「早すぎた」は、比較的容易にリカバリーできる。

仕事の上においても、

やるべきことは、早くやって、それが早すぎたとしても、

早すぎてマズイことはほとんどなく、実行されるが、

やるべきことを、やるのが遅すぎるのは、

大抵の場合、機を失して出来なくなっていて、実現しないことが多い。

 

さっさとやるべきことを、なかなかやらない人に、

なぜやらないのかを聞くと

「まだ、やらなくてもいいと思った。」と必ず言う。

まだやらなくても出来るかもしれないが、

まだやらないことで得られるプラスは何があるのか。

ちょっとの間、しないというラクをするだけではないか。

やるべきことは、やれるならば、とっととやってしまえばいい。

早すぎたとしても、ほとんどの場合。何もマイナスも無ければ、損もない。

早すぎる方が遅すぎるより100倍マシなのだ。

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引退当時は、何とも言えない後悔に似た感情に耐えていたようです。

 

リンダも当時、こんなに小さかった。

 

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    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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