谷 好通コラム

2009年09月12日(土曜日)

2303.雨が降ったぐらいどおってことない

昨日あれほど晴れ上がっていたのに、
天気予報がものの見事に当たって今日は土砂降りだった。
スタートがつまづいている快洗隊八日市店が、せっかくチラシを折り込んだのに、
この雨はちょっとツライ。
しかし見事に的中する天気予報によると
明日は一転大晴天になるはずで、今日の分まで大きな期待で待とう。

 

ほぼ全国的な雨、快洗隊全店舗も雨。
今日は今日とあきらめるしかない、そういうものだ。
休める人はじっくりと休めばいい。
雨が降ったこの日を、雨が降った日として、素直に受け入れるしかない。
焦る事もない。
しかしそんな雨の日でも
力のある店は「えっ?」と思うような実績を上げてくるのは、
暇な日は暇な日のように人の配置を作って、それなりに忙しくしていて、
「暇な日」でも「暇な店」にはしないからであろう。

 

暇に日にいつもの日のように人を店に入れ、
暇だから、掃除をしても、練習をしたとしても、
暇な日に、余計な人が店にいること自体で、お客様から見れば「暇な店」になる。

 

理由が何であろうと人が多すぎる店は、人も腐るし、店自体が腐る。
これはあらゆる種類の店舗の最も基本的な鉄則であると私は思っている。

 

 

今の自分が置かれた境遇を、幸福と考えるか不幸と考えるか。
そんなことを考えさせられるテレビを見た。
日本に不法滞在していたフィリピン人が摘発を受けてフィリピンに強制送還され、
日本で生まれ育った子供も一緒にフィリピンに送還された話だ。

 

日本で生まれて8歳とか10歳まで日本で育てば、
両親がフィリピン人であっても、子供たちにとって自分は日本人とまったく同じである。
フィリピン現地語のタガログ語も第二国語の英語もまったく分からない。
日本語しか喋れない彼らは、フィリピンで小学1年生に編入されてまず言葉から憶える。
生活は、日本での生活から比べれば極端に貧しい。
日本では最低でも働けば月に10数万円の収入があるが、
テレビに出ていたフィリピンのお父さんは日に400円、月に1万円しか収入がない。
日本の生活で育ったフィリピン人の子供は、
そんなフィリピンでの生活の中で、たくましく育っていた。
しかし、日本に帰りたいとも言う。
日本の学校で同級生と写っているその子供は、
日本の普通の子供そのものだが、
フィリピンのスラム街でスラムの子供そのものの格好で遊んでいる
日本での写真と同じ顔をしたその子供の姿を映像で見ると、
私たちの目にはとても惨めに見える。

 

それを見て、
その子供たちを、我々は「かわいそう」とするか。
親の不法滞在という罪の結果だから仕方ないものの
「子供には罪はない。」のだから、何とかしてあげるべきだとするか。

 

しかし、一緒に遊んでいるフィリピンで生まれ育った子供と、
たまたま日本で生まれ育った子供と何がどう違うのであろうか。
同じ子供であると思う。
人はそれぞれが背負って生まれた宿命を、
自らの宿命として受け入れ、
受け入れた上で、その宿命を活かした生き方をすべきではないか。
与えられた宿命を「不公平」「不幸」として自らの宿命を嘆き、
自分は不幸であると思い続けても良いことはない。
自分を不幸だと思う人は、
不幸だと思っていること自体が、自分を不幸にしていることに気がつかない。

 

日本に生まれ育ったが、フィリピンに強制送還されて、
豊かと文化がまったく違うフィリピンで暮らさざる得なくなった子供たちは、
年月を経てフィリピンでの生活を見事に受け入れていた。
その宿命の中で立派に幸せになれるように頑張って生きていくのだろう。
子供はたくましい。

 

雨が降って暇の日になったぐらい、
どおってことのないことで、
暇に日のようにあらゆることを合わせればいい、それだけのこと。

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2009年09月12日(土曜日)

2302.不十分から作り上げられる“強い力”

目からウロコが落ちた。
それもかなり大きめのウロコであった。

 

 

東海北陸道を通って富山に行く。
空はあくまでも晴れ、明日雨が降るなんて予報は嘘のようだ。

 

 

目的は北陸担当の谷基司課長から「素晴らしい店とスタッフ」と聞いていた店舗。
「キーパープロショップ Sスタイル」
富山県の人口10万人前後の高岡市のはずれにあり、はっきり言って立地は良くない。
作業場も二台分だけでキャパシティも十分とは言えない。

 

しかし、この店の強みは「何もかも不十分である」ことにあると私は思った。

 

この店のオーナーであり、社長であり、店長である堀池さんは、
元々ガソリンスタンド長く勤められていた方だが
今年の初め頃、突然、その会社が倒産した。
途方にくれた末、
数々の選択肢から選択したのが「キーパープロシッョプ」で独立する事。
資金があるわけではないので、
店舗は家賃6万数千円のあまり広くない物件を借りたそうだ。
その割にはデザインがいいので、決して惨めったらしくないのはさすがだ。

 

それでも店を開いているだけでお客様が来店するような立地でもなく、
仕事は当初、以前から懇意にしていたカーディーラーさんのセールスさんに
新車コーティングを紹介してもらったり
近所の中古車屋さんから、中古車の再生やコーティングの仕事をもらったそうだ。

 

私たち快洗隊は「お客様の顔が見えない仕事は避けたい。」として、
業者さんから仕事をもらう事をほとんどしないでいたが、
堀池社長は、
「ダイヤモンドキーパーなどのコーティングの場合、点検洗車があるでしょう。
その時、お客様に直接店舗に来てもらうようにして接点を持つようにしています。
そのお客様から、またお知り合いを紹介してもらったり、
土日を洗車デーにして、洗車にも予約できてもらったりしています。
だから、やった仕事は、ちゃんとリピートに続いていますよ。」

 

開かれた店舗であるキーパープロショップは、
リピートの蓄積が大切であることを実践しているのだ。

 

それに加えて特長的なのが「Webサイト」による集客がすごい事だ。
昔からPCに強く、Webにも長けている堀池社長は、
キーパープロショップの公式サイト「keepre.co.jp」のフォトログを活発に使い、
http://keepre.jp/proshop/00725.html
また、強力なSNS「みんから」の活用も非常に活発だ。
独自に持っている自らのWebサイト
http://www.migakiya2009.jp/
これも素晴らしい出来で、更新が激しくなされ、
私たちの先を行く情報がいつも上げられている。

 

オープンしてからまた数ヶ月だが、
すでに120万円以上の売上をマークし、
今月9月はさらに記録を伸ばすこと確実とおっしゃっていた。

 

現在、カーディラーさん、中古車屋などからの業者仕事と、
その後、直接お客様のリピートにつながっているのが合計で約70%。
Webサイトから直接お客様とのやり取りで得た仕事が約30%。

 

この店舗は、確実に成長し続けていることは間違いない。
作業をする場所がたった二台分しかない店舗だが、
これから先、びっくりするような存在になってくると予測できた。
素晴らしいスタッフさんの存在が、それを確信に変える。

 

この店舗と社長はじめスタッフさんの“強み”は、
「与えられた条件が不十分であること」に尽きる。

 

不十分な資金で得ることが出来た店舗の不十分な立地と、不十分な視認性、
物件の狭さによる不十分なキャパシティ。
すべてにおいて満たされていない不十分さが、
そのすべてを克服するために、
発想に何の制約を持つことなく、自分たちに出来ることをすべてやって、
手作りの暖かい店と、工夫を重ねた使いやすい作業場と、
隅々にまで気が行き届いた店作り、
地域に対する積極的かつピンポイントを抑える働きかけと、
Webでの濃いコミュニケーションで、膨れ上がっていく人の輪を作り上げた。

 

この努力と、工夫、継続力、実現力は、
スタートですべてにおいて不十分であったことから出来上がってきたパワーだ。

 

与えられた力ほど弱いものはない。
足りないからこそ自ら作り上げざるを得なかった力ほど本物で強いものはない。

 

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
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