2026年05月29日(金曜日)
05.29. 今日の7777話は、おもいっきり真面目な話です。
昨日書いたように、今日は7777話です。
と言っても、順番に並べると8125番目の話です。
これを書き始めてから25年半。
最近は1日に2話も書く事は少なくなりましたが、
昔は書きたい事がいっぱいあって、
今よりうんと元気でもあったので1日に2話も書くのは平気でした。
しかし7777話とは、ラッキーナンバーの7が四つも並ぶ記念の日。
何を書こうか、よほど考えたのですが、
二週間ほど前に、投資家の方から真剣な内容のお問い合わせをいただき、
その回答を今日書いたので、それを載せさせてもらおうと思います。
ここに書いてあるご質問は、
多くの投資家の方が聞きたいと思っていらっしゃる事で、
私もきちんとお話ししたいと思っていた事なので、
ちょうどいいと思ったのです。
質問を送って下さった投資家の方も、きっと許していただけると思います。
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私は、長期投資家として貴社の事業を極めて高く評価し、継続的にフォローさせていただいております。
貴社がこれまで構築されてきた「高いリピート率(約87%)」を基盤とした高品質なサービス業モデルに対して、深く敬意を表します。
一方で、直近の開示資料や月次データ等を精査する中で、いくつか構造的な変化が見られており、それに対する対応が今後の企業価値を大きく左右する重要な局面にあると認識しております。
本メールでは、投資家としての観点から、現状のファクト整理と、それに基づく戦略的なご提案を共有させていただきます。貴社のさらなる中長期的な発展に向けた一助となれば幸いです。
- 現状認識(事実ベース)
貴社の公式開示資料を基に、私の方で算出・整理したところ、直近の数値において以下の変化を認識しております。
■ 同店売上の継続的な悪化
・既存店売上:直近で前年比 -4%
・2025年後半以降、複数月でマイナス基調
A.厳しい円安が進む中で、国内の自動車メーカーが国内への新車の供給を絞って、海外への輸出に回している傾向が続いており、製品等関連事業の中の新車ディーラーへの販売実績が思うように上がらない状況が続いております。
この傾向が、KeePer LABOにおいても、納車されたばかりの新車へのKeePerコーティング(高価格KeePerが多い)が、少ない状況が4月くらいまで続いております。これが、2025年後半以降の複数月でマイナス基調の最も大きな要因です。
さらに、
KeePer LABOを出店し始めた初期(快洗隊)の、洗車中心でコーティングブースが比較的少ないタイプの店舗を、最新のコーティング中心のブースの数が多いタイプの店舗にたて続けに改造していた時期が昨年位まで続きました。
この時期には既存店のキャパシティアップ効果による売り上げ向上が顕著に見られましたが、このキャパシティアップの改造工事が一巡したここ1~2年間ぐらいは、この効果が無くなっているので、店舗数増加による売り上げアップが表に出て来ています。
言い方を変えると、二年ほど前まではキャパシティアップによる既存店の売り上げアップが顕著に見られましたが、それが一巡して、今はコーティングブースが最初から強化された店舗ばかりですので、最近は店舗数増加による売り上げアップばかりになっています。
■ 来店構造の不安定化
・来店台数:減少傾向
A.これは、色々な要因はありますが、ひとつ、「Web予約」において、
「予約をたくさん入れると結果的にお客様をお待たせする等ご迷惑をおかけする危険がある」という理由を付けて、予約枠を絞る傾向があった時期がありました。これは、「お客様へのご迷惑を回避するため」と言いながら、結果的に暇な店舗を作り出すなど大きな弊害があったので、これをきつく禁じ、お客様のご来店意向を優先し、その意向の波にこちらが受け入れ態勢を柔軟に整える体制を造り上げてきたことで、かなり改善出来てきていると自覚しております。
・客単価:一部回復も見られるが、ボラティリティが高い
A.これは、天候による変動が強く出ます。
「晴れ」が多ければ単価の低い「洗車(平均5,000円程度)」が非常に増え、これは作業時間も短いのでなおさら数が多くなり、平均単価を押し下げます。逆に「雨」が多いと洗車が減って、来店台数は減りますが、単価は上がります。
これは「洗車」が絡むビジネスにおいては宿命的な所であります。
ただ、昔は洗車中心の店舗でしたので、この変動が売上そのものに直結してお天気次第で売上実績が大きく変わりましたが、今は「KeePerコーティング中心」の店舗に変わってきたので、予約を伴う「KeePerコーティング」は、雨が降っても晴れでも変わらずご来店いただけるので、天候の変動による売り上げ実績のボラティリティは大幅に低くなっております。
■ 人時生産性の低下
・前年比約 -10%
A.これは、あえて強く意識して人時生産性を下げております。
昨年くらいまでは、この数字を上げることが効率化の重要な要素と考えられきました。だから、9,000円/人時を越すような店舗が続出しておりました。
しかし、これによってスタッフの疲弊が重なり、サービスの低下、品質の低下、スタッフの退職など弊害が目立って来ておりました。
これを根本的に解決する為に7,000円台/人時を標準とし、サービスと商品品質の向上を実現し、定着率の向上を図っております。このことによって労働分配率は上がり、利益率の若干の低下があります。しかし、この施策と同時に夏季対策として多くの施策を実施した結果、2025年の夏季は、熱中症発生ゼロを実現しております。
今後の経営においては、人材の確保と定着、技術力の向上が最も大きな成功要因と考え、このような施策を取っております。
■ 成長ドライバーの変化
・全社成長の大部分が新規出店に依存
A.前記に述べさせていただいた通りであります。
KeePerコーティングは、昔からのコーティングのように嗜好性が強い商品ではなく、施工すると車がすごくキレイになると同時に「雨が降ると、洗車をしたかのようにキレイになるので洗車回数が大幅に減る。」という実用性の高いサービスです。
その実用性に対するニーズは、SNSなどを通じて急速に広がっております。
ですので今は、むしろ新規出店をもっと加速して、その加速に耐えられるような教育システムと管理体制を、同時に構築する事が大きなテーマであると考えております。
・同時に、既存店への5~15%のカニバリゼーションを確認
A.新店を出店すると、近辺の店舗がほぼ必ず5~15%の売上低下が発生します。おっしゃるとおりです。しかし、これは約1年経過する事によって、ほぼ間違いなく元の販売実績に復活する事も確認しております。
と同時に、新店に既存店からのお客様が開店と同時に来店されますので、開店当初の来店客が極端に少ない時期を無くすことが出来、新店の立ち上がりのペースを約1年間短縮できると考えているので、先の既存店の売上低下の分が、ここで補えることになっており、良い循環が造れるものと考えております。
- 構造的な課題の解釈
上記ファクトは単なる短期的な変動ではなく、以下の「構造的な変化」を示唆していると考えます。
① 同店成長の鈍化 = 成熟局面への移行
・出店による成長モデルへの依存度が上昇している一方、新規出店が既存店の収益を侵食している可能性。
A.上記に回答させていただいた通り、カニバリは一時的なものであり、
新店立ち上げにむしろ有効であるので、新店出店を積極的に進めるべきではないかと考えております。
② 中価格帯の消失(消費の二極化)
・「高価格帯」または「低価格帯(洗車)」への集中が進み、中間帯商品の競争力が相対的に低下している。
A.カーボンニュートラルが進み、ガソリンスタンドの数が減ってきます。
それと同時にKeePer LABOに給油設備が付帯したり、リペア関連、充電設備、タイヤ交換など自動車に関するサービスが多様になるモピリティベース構想が現実化してきて、KeePer LABOとKeePer PRO SHOPの境目が希薄になり自然に中価格帯の商品が生きてくると想像します。
③ 限界ROICの低下
・新規出店の増加に伴い、1店舗あたりの追加投資に対するリターン(Incremental Return)が希薄化する懸念。
A.よく検討してみたいと思います。
【総括】
これらを総合すると、貴社のビジネスは依然として極めて高品質ながら、「成長ステージから資本効率を問われる成熟ステージへ移行しつつある」と評価しております。
- 戦略的提言(最重要)
上記を踏まえ、中長期的な企業価値向上のため、以下3点をご提案いたします。
① 出店戦略の適正化(最優先)
現在の出店ペースは、需要成長を上回っている可能性があります。
・提言:
– 出店数を現状から一時的に縮小・抑制する。
A.これは前述のように、むしろ、今は出店を加速すべき局面であると考えております。が、おっしゃる通り、出店を抑制すべき局面も必ず出てくる筈なので、その局面を見逃さず、出店欲に惑わされずに、勇気ある抑制を忘れないようにしたいと思います。
– 重点:高密度エリアおよび既存成功エリアへの出店に特化する。
A.まさしく、そうだと思います。
現在は1に関東、2に関西、3に九州の北部と中国を重点的に出しています。
中部は既にある程度の密度がある上に、自然に物件が出てくるので大丈夫です。
北海道、東北、北陸、四国、九州南部などマーケットの薄い所は、
既にお客様をたくさん有している地元の人がフランチャイズで応募してくれるので、それが一番だと思っています。
– KPI:同店売上と人時生産性を最優先する。
A.大賛成です。ただ、人時生産性は高めることを最優先にするのではなく、
品質の維持、人材の定着=技術の向上を維持する為に7,000円台/人時を。
・目的:
– ROICの維持・回復
– 同店の収益力正常化
② 商品戦略の再設計(バーベル化)
現状、中価格帯の弱体化が継続しています。
・提言:
– 中価格帯ラインナップの整理
– 高価格帯(EX/ダイヤ系)の強化
A.ここは商品開発意欲を常に旺盛にして、商品力のより強化を目指します。
– 低価格帯(洗車)のサブスク化・高頻度化
A.ここは、機械化と、DIYが肝心になってくると考えます。
・目的:
– 顧客セグメントを明確化
– 収益構造の安定化
③ Repair(リペア)サービスの戦略的活用
新規導入されたリペアサービスは、収益商品というよりも「導線商品」として極めて有効と考えます。
- ありがとうございます。もっと力を入れて行きたいと思います。
・提言:
– コーティングへのクロスセル設計
– 会員化・リテンション強化への活用
– 小額損傷市場(保険非利用領域)の積極獲得
A.今はペイントリペアが軸ですが、自動運転化によって、このマーケットはむしろ縮小に向かうのではないかと思っております。
・目的:
– 来店頻度向上
– 顧客LTV(生涯価値)最大化
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- 長期的企業価値へのインプリケーション
上記の施策(同店売上回復、マージン安定、ROIC改善)が実現すれば、株式市場における貴社の評価は、単なる「出店型サービス業」から、高資本効率の「リテンション型サービス企業」へと再評価(マルチプルの向上)される可能性が極めて高いと考えます。
- 結び
本提言は、貴社の中長期的な価値向上を強く信じる立場からの、建設的なフィードバックとしてお送りさせていただきました。
香港からではございますが、まずはメールにて、本内容に対する貴社のご見解や今後の方向性について意見交換をさせていただけますと大変光栄に存じます。お忙しい中恐縮ですが、ご都合の良い際にご返信をいただけますと幸いです。
貴社の今後のご発展を心より祈念申し上げます。
何卒よろしくお願い申し上げます。
A.こういうメールをいただくと、
本当に真面目に、この会社と事業、みんなを
大切にしなくてはいけないと思うのです。
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と、真面目な話がずっと続き、
最後は結局、ジイサンが最近一番気に入っている写真です。
ジイサンはみんな若い娘がスキなんだから、仕方ないのです。





