谷 好通コラム

2005年07月03日(日曜日)

1204.続・ウィンナコーヒー

昨日書いたコラムで訂正しなければならないことがある。
ウィンナコーヒーを頼んだ人が、
コーヒーの中にウィンナソーセージが入っていないと、怒ったという話。
あれは弟が話したのではなく、管理の池本部長が話したものであった。
どこかで、記憶が入れ違ったらしい。

 

私と弟は8歳違いである。
今でこそ53歳と45歳で、二人ともただのオッサンであるが、
彼が小学生の頃、私はすでに高校生であって、
体重で言えば2倍以上の差があって、体力がまるっきり違うのである。

 

その頃私は高校で柔道部に入っていた。
「柔道を教えてやる。」と言って
いやがる小学校低学年であった弟を捕まえて、覚えたばかりの技かけて遊んだ。
私には遊びであったが、
2倍以上の体重の私が本当の柔道の技をかけてくるのだから、
彼にとっては、正真正銘の“いじめ”であり、
あの時は本当に痛かったと、弟は、今でも時たま言う。

 

「そりゃすまんかったな~、でも、もう憶えとらんな~」と言うが、
何十年か前のあの時、
二分の一の体重を軽々と投げた時の気持ち良さは、実ははっきりと憶えている。
「すまんかったな~」という気持ちは本当であるが、
「気持ちよかった」という記憶も本当なのである。(^・^)

 

私は、ご飯を食べる時、美味しいおかずとそうでないものを交互に食べる。
弟は、まず好きではないものを先に食べて、
美味しいおかずを楽しみに取っておいて、最後に食べる。
二人ともウィンナソーセージ、それも赤いウィンナソーセージが大好きであった。

 

一緒にご飯を食べると、
後半、弟の赤ウィンナはぜんぶ残っており、私のは食べてほとんど無い。
「なんだお前、ウィンナ嫌いか、なら、俺が食ったるわ」
と、一瞬の早業で弟の赤ウィンナをかっぱらい、自分の口に放り込む。
「あ~っ僕のウィンナ取った~~~っ、びゃ~~~~」
(“びゃ~~”とは、彼が泣いた音である。)
「欲しいんならハヨ食えばいいじゃん」
「とったったんだが~~~っ、びゃ~~~~」
(この辺は名古屋弁を忠実に)

 

その声を聞いてオフクロが、
「よしみちっ! お前、また取ったんか! 弟いじめて何が面白いんだっ、バカっ!」

 

兄弟でも8歳違いともなると、
弟が生まれてかわいい赤ん坊の頃、私はもう悪ガキになっていて、
親としてどっちが可愛いと言えば、当然、けなげな赤ん坊の方だ。
何かにつけて、悪ガキであった私は、弟に対して強い不公平感を持っていた。

 

だから、弟の赤ウィンナをかっぱらって食うぐらい何が悪い、と思っていた。
つまり、私は、弟に親を奪われた被害者であったので、
親から怒られても
「赤ウィンナぐらいでいちいち泣くなっ、バカ。」ぐらいにしか思っていなかったし、
もちろん反省なんかする訳もなく、
性懲りもなく毎度、美味しいおかずをあとで食べる弟の赤ウィンナを、
かなり大きくなってからも取り続けたのである。

 

今では、弟は間違いなくこの会社を支え、私を支えてくれている大黒柱である。
しかし、今でも面白がって「昔、小さい時、兄貴に赤ウィンナをよく取られた」と言う。
(この話は、このコラムが始まった一桁台の話で一度書いたことがある。)

 

そのウィンナソーセージと、ウィンナコーヒーの話がダブって、
前回のコラムの中の話を、弟がしたと思い込んでしまったのである。

 

長い長い訂正文であった。

 

甥っ子を見て可愛がるオッサンになった弟

 

 

訂正文ついでに、もう一つ訂正文。

 

前々回のコラムで、
「一番嫌いな物」として香水とか香料のことを書いた。

 

書いたあの時は、消臭剤という名前の香料のカタマリに、
いやというほど攻撃された後であったので、かなり感情的にはなっていたが、
誤解されるような部分もあったのではないかと反省している。

 

私は、自分の“好き嫌い”という意味で、香水が嫌いということであって、
香水が悪いとか、それを趣味が悪いなどと言っているわけではない。
ただ単に、「私は体質的に香水の類が嫌い」ということだけである。

 

そしてその上で、
タバコが嫌いな人にとっては、タバコは“臭い”だけのもので、
迷惑なものだが、
香水が嫌いな人もいっぱいいて、
そんな人にとっては香水は“臭い”だけのものであり、
タバコが嫌いな人がタバコを迷惑と思うのと同じように、
香水が嫌いな人にとっては、香水は迷惑なものである。

 

ただ、健康に良いか悪いかという意味ではこの二つは違うかもしれないが、
精神的なことも健康の内と考えれば、大して変わらないとも思っている。

 

もう一つ、あえて言えば、
タバコ吸いは、みんなに迷惑をかけているという自虐の念を持ちつつタバコを吸っているが、
香水を着ける人は、
自分を飾るために(あるいは体臭が強い人は消臭のために)着けていて、
香水嫌いのある部分の人に、迷惑をかけているという自省の念は持っていない。

 

ここは大きな違いである。

 

 

ついでにもう一つだけ、
私はタバコを吸うが、ポイ捨てはしない。
路上で吸ったタバコの火は、靴の裏で消して、タバコの箱に戻す。
今までに一回もしたことがないかと言えば、ゼロではない。
何千本に一回は、路上で吸殻を踏みつけたことはあるが、
火がついたままのタバコを路上にポイと捨てることだけは絶対に一度もない。

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    代表取締役会長兼CEO

    谷 好通

    キーパーのルーツであり、父であり 男であり、少年でもある谷好通の大作、名作、迷作コラム。
    読めば読むほど元気になること間違いなし。・・・の、はず。

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